<フォード選手権 事前情報◇26日◇ワールウインドGC(アリゾナ州)◇6661ヤード・パー72>
今季の国内女子ツアーでは開幕戦を岩井千怜、2戦目を吉田優利が制し、米ツアー組の強さを改めて印象付けた。そんななか山下美夢有は、オープンウィークを利用し2週前にタイで行われた韓国女子ツアー開幕戦「ブルー・キャニオン女子選手権」に出場。「楽しかったです」と振り返る。
2日目まで首位に立ちながら、最終的に11位に終わったことについては、「ショットもいい感じで回っていたけど、最終日に伸ばすことができなかった」と悔しさは残る。それでも「韓国のトップ選手とも回れて、勉強になりました」と収穫は大きかった。特に印象に残ったのが、韓国勢の「キレイなスイング」と「精度が高かったショット」。それを初めて出場するツアーで得られたこともあり、満足度は大きい。
この試合がオープンウィークの調整かと思えば、そういうわけではない。「たまたまです」。こう言って笑う。「韓国ツアーにも出たいと思っていて、出られる資格をいただけたので」。いわば経験値を増やす4日間ともいえた。その後は日本に戻ることなく、再び渡米。そして今週、シーズン4試合目となる米ツアーでの戦いを迎える。
海外に渡ったが、今季も父の勝臣さんにビデオ通話でスイングをチェックしてもらいながら転戦を続ける。世界各国を渡り歩く状況になり、時差もまちまち。「お父さんが大変だと思います」と笑うが、「この3、4試合に比べると、今週はショットが安定しています」とやはり効果はバツグンだ。
ここまでの3試合でトップ10入りが2度と成績は出ているが、気になる数値も。パーオン率が62.5%で113位と、まだまだ本領発揮とはいかない。日本ツアーでは2022年に全体1位となる75.1543%を記録するなど、プロ入り後、同部門で70%を切ったことはない。米国でもフェアウェイキープ率は12位(78.57%)、平均パットは4位(27.08)など他が安定しているだけに、ショットの精度が回復してくれば、自ずと優勝も近づいてくる。
アリゾナは厳しい暑さと乾燥が待ち受けているが、それも「タイよりはマシです」と余裕の笑み。こういった点でも「むっちゃしんどかった。地味にアップダウンもあったので」という韓国ツアーへの参戦経験が生きてきそうだ。「上位で戦えるようスコアを伸ばしたい。いつも通りのプレーをしながら、少しでも順位を上げられるように」。3週前の中国での大会を制した竹田麗央に続く、今季日本勢2人目のルーキー優勝を目指していく。