<アムンディ・エビアン選手権 3日目◇29日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523ヤード・パー71>
ムービングデーに“女王”が貫録のプレーをみせた。乾いた風が強く吹いた2日目に「75」とスコアを落としたものの、トータル3オーバーの52位タイで週末へと進んだ山下美夢有。3日目は5バーディ・1ボギーの「67」と伸ばし、トータル1アンダー。“アンダーグループ”に入り、23位タイにつけた。
雨が降ったり止んだりという気まぐれな空の下、コースコンディションの変化に柔軟に対応した。「風があまり吹かなくて、グリーンのコンパクションもきのうに比べてやわらかかった」と、ピンをデッドにねらう攻め方へとスイッチ。持ち味のショット力を披露して、多くのバーディチャンスを生み出した。
それだけに5つ奪ったバーディには「もうちょっと入ってくれたら」と物足りなさも。3日目で初めての60台については「まずは4アンダーで回れてよかった」と、ジャンプアップできたことには満足感も示す。
そんな山下のグリーン上だが、初日はエースの2ボール、2日目はブレード型、そしてこの日は『クリーブランド』の大型マレットとパターを入れ替え、いろいろと試した。
「練習ラウンドですごくタッチも合っていたし、スリクソンが新しいパターを出したので使いたかった」。メジャーという大舞台で毎日コロコロと替えていることには「一番使う回数も多いので、ちょっと慎重にならないとなと。反省もありながら…」と笑うが、この日のパット数は『28』を記録。フランスに4本持ち込んだパターは残り1本だが、「もう替えないです(笑)」と、最終日もこの大型マレットを投入する予定だ。
「ベストを尽くして頑張りたいと思います」と見据える残り18ホール。その実力を十分に発揮し、日本ツアーを代表する女王はさらなる高みを目指す。(文・笠井あかり)