<HSBC女子世界選手権 最終日◇2日◇セントーサGC(シンガポール)◇6779ヤード・パー72>
昨年の「パリ五輪」の金メダリストで、史上最年少記録でLPGAツアーの“殿堂入り”を果たしたリディア・コ(ニュージーランド)が、“アジアのメジャー”と称される「HSBC女子世界選手権」で米ツアー通算23勝目を挙げた。
「これはアジアのメジャーと呼ばれているから、私のメジャーコレクションにアジアメジャーが加わるのは本当に素晴らしいこと」
初日は強風が吹くなか1アンダーの「70」で回り7位タイ発進、2日目に5アンダーの「67」をマークし2位に浮上。気温が35度を超える猛暑日となった3日目に「68」で回るとトータル10アンダーで単独首位に立った。そして迎えた最終日も「69」とスコアを伸ばして逃切りVとなった。その勝利を引き寄せたのは、可愛い“エンジェル”たちだった…?
「いつも私の名前が書かれた看板を持って来てくれる女の子たちがいた。彼女たちのおかげで本当に思い出深いものになった」
会場には『Lydia Ko GO! GO!』などの文字と、可愛らしいイラストが描かれた手づくりの看板を持って応援する子どもたちの姿が微笑ましかった。コを見つけると走って近くに行きエールを送ったり、スタートホールでは真剣な眼差しで見守っていたり、蒸し暑いなかで顔を火照らせながらも帯同する姿はたくましく、コへの愛で溢れていた。
そんな子どもたちの姿にコはパワーをもらっていた。「ここでは良いときもあれば、あまり良いプレーができないときもある。でも、私が1番でも、10番でも、何時にティオフしても、彼女たちはいつも私のために来てくれる。楽しい1週間で、自分自身に集中できた。それが今週の勝利の“大きな鍵”だったと思う」と幸せそうな表情を浮かべる。表彰式ではそんな子どもたちと満面の笑みで記念撮影を行っていた。(文・高木彩音)