<ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 事前情報◇29日◇レイクノナG&CC(米フロリダ州)◇6624ヤード・パー72>
2年ぶりにこの舞台に帰ってきた。昨年の「全米女子オープン」を制し、笹生優花は過去2シーズンの優勝者のみが出場できる開幕戦にまたもメジャーチャンピオンとして名を連ねた。「ここにいられるのは“privilege”(光栄)なこと。去年は出られなかったので」とかみしめている。
およそ2カ月ほどの短いオフには、スポンサー関連の仕事だけではなく、「わたしが一番楽しんでいたかも(笑)」と日米でジュニアイベントも開催した。多忙だった12月に充実感もみせながら、その一方で、クラブはあまり握らなかったという。「長いシーズンだったしなにもしないのがゴールだった。ナマケモノになってます」と世界中を転戦した疲れを癒し、まずはリフレッシュすることに重きを置いた。
転戦するためのフライトの手配など自らスケジュールを組みながら、Netflixで好きなアニメを観る生活。そして「最近、ゴルフを始めました」と、年が明けてから米国でクラブを握った。それでも雪が降ったこともあって思うような練習をすることができず、「打っている感覚を取り戻す」ことで精一杯。「レベルアップというかレベル下がったかもしれない(笑)」と笹生節で冗談めかす。
だが、まだ長いシーズンの一歩目。もちろん、今週も結果を出すことを最も大事にしているが、「ゆっくり焦らずに、楽しんで準備していきたい」とも見据えている。
今週は各界のセレブリティとプロアマ形式でプレーする。「ゴルフ界ではなかなか会えない方が多い。その人たちのストーリーや、ゴルフにあまり関係のない会話もできる。そういう意味ではいろいろと勉強になるし、すごく楽しい」。開幕前日に行われたプロアマには参加しなかったものの、練習場では積極的に会話する姿もあった。
23歳にとって米ツアー5年目のシーズン。挑戦の日々が始まる。「まずはケガをせずに。シーズンは長いので体に気を付けて過ごしたい。そしていろんな思い出を作りたい」と、2025年に意気込んだ。(文・笠井あかり)