<ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 初日◇19日◇レイクノナG&CC(米フロリダ州)◇6608ヤード・パー72>
大男2人とのラウンド。そこで身長153センチと小柄な古江彩佳が開幕戦をプレーした。同伴競技者の正体は、歴代最多7度のサイ・ヤング賞(年間最優秀投手賞)受賞を果たした“ロケット”ことロジャー・クレメンス氏と、2007年最多勝投手のジョシュ・ベケット氏という元メジャーリーガーだった。
22歳の古江にとって、決して“ピン”とくる2人だったわけではないが、「すごく楽しかった。飛んでました。常に置いていかれてました(笑)。野球選手という感じでしたね」と、そのパワーはやはり見ごたえ十分。「いいショットやパットを打ったら2人ともほめてくれて優しかったです」と、紳士的な対応も印象に残った。
特にクレメンス氏といえば、メジャーリーグを代表するレジェンドの一人。「ロケットさん(クレメンス氏)は、『(日米野球で)東京ドームでプレーしたことがあるよ』とか『相撲が人気だよね』みたいに話かけてくれました」。とはいえ米国のスーパースターを相手にしても、ゴルフ場は古江にとっての主戦場。14オーバーのクレメンス氏、15オーバーのベケット氏を圧倒する1アンダーでホールアウトした。
「ひさしぶり(のラウンド)で細かい動きができなかった」とスタートホールの10番はボギー発進。しかしその後、5番までに5バーディを奪い、一時は4アンダーでトップにも立った。しかし6~8番では3連続ボギーを叩き9位タイまで順位を落としたが、初日ということも踏まえ首位と4打差のスタートは及第点といえる。
生命線ともいえるショットの状態には手応えを感じる。あとは「アプローチの感覚がコントロールできていない。寄らず入らずのボギーを叩いたりしたのは悔しい」という部分を、さらに研ぎ澄ませていきたいところ。“柔よく剛を制した”開幕戦初日に挙がった課題を、あすのラウンドにつなげたい。(文・間宮輝憲)