<フォード選手権 3日目◇29日◇ワールウインドGC(アリゾナ州)◇6661ヤード・パー72>
前日の「66」に続き、3日目は「67」。岩井千怜が着実に順位を上げてきている。「きょうもすごく楽しかった。風が1番強かったという印象だったけど、暑すぎず。すごく気持ちよく回れました」。ラウンド後の表情も清々しい。
6つのバーディを奪う要因になったのは、「きょうが一番よかった」というドライバー。風もあるなかフェアウェイキープ率は92.9%(13/14)で、ドライビングディスタンスも293ヤードを記録した。フェアウェイキープは初日が『9』、2日目が『12』と推移してきたが、数字も好感触を裏づけている。
また、スタートホールの1番でチャンスを逃すなか、2番パー5でしっかりとバーディを奪えたことも大きい。「悔しい思いもあったけど、引きずるのはダメだと思っていました。“次”って気持ちを切り替えて、うまくいきました」。前だけを向いて、歩んだ結果だ。
ただ、5番パー4が短い264ヤードに設定されるなど、プレーしていて伸ばし合いのムービングサタデーになることも随所に感じられた。それだけに、こちらもティが前方に出された17番パー5がパーだったことなど“取りこぼし”を悔やむ。「すごくチャンスだった。今は悔しさでいっぱい」。ホールアウトしたころには上位陣がスタートしておらず、展開も読みづらかっただけに、1つでも多く伸ばしたかった思いはより強い。
実際、上位陣も伸ばしあいの状況になっているが、リーダーボードを駆け上がった事実は変わらない。「73」で初日が112位だったことを考えるとなおさらだ。スコアもトータル10アンダーと2ケタに乗せたが、「でもまだまだ。もっともっと伸ばさないと…っていう感じです、今は」と、視線はさらに上を見ている。
「7アンダーを出したかった。でもまだ明日があるので。明日も全部バーディを取るような気持ちで頑張ります」。ひたすらピンだけを狙う最終日になりそうだ。