米ツアー本格参戦3年目を迎えた西村優菜は2日、自身の今季初戦となる「ファウンダーズカップ」(6日開幕、米フロリダ州ブレイデントンCC)に向けて渡米。前日の1日は兵庫・花屋敷GCひろのコースで開催された「日本プロキャディー協会ジュニアゴルフマネジメント講座 Supported by 西村優菜 Birdie Donation」に参加した。関西ゴルフ連盟の強化指定選手のジュニアたちと交流を深めた後、取材に応じ、「今年こそは勝ちたい。2年間、達成できなかった目標なので、3年目こそはという気持ちで、そこを目指したい」と、米ツアー初優勝を誓った。
1月はタイで約2週間の合宿を行い、ショットの調整に多くの時間を割いた。昨季のトップ10入りは2度で、ポイントランキング69位でシードはキープしたが、ルーキーイヤーだった2023年の49位を大きく下回った。夏場には6試合連続予選落ちも経験するなどフラストレーションが溜まったシーズンとなったが、その原因を「自分の強みであるショットがまったく通用しなかった」と分析。フェアウェイキープ率は79.8%の13位ながら、パーオン率は65.6%の120位と苦戦した。
ジュニア選手との座談会でも「米国のグリーンは本当に硬くて、距離が出ない自分は長いクラブを持つことも多く、なかなかグリーンに止めることができなかった」と振り返ったように、スコアメークに苦しんだ。その反省からタイではショットの精度を磨くことに注力した。「年間を通じて、大きな波がこないように調整していきたい」とバーディチャンスに直結するパーオン率のアップが悲願の初Vの絶対条件となりそうだ。
ドライバーは用具契約を結ぶキャロウェイの新モデル「ELYTE(エリート)トリプルダイヤ」に初戦から使用する。「ヘッド重量がすごく軽くて、自分が使っているのは183グラムくらい。前のドライバーはちょっと当たり負けして飛ばしている感じだったけど、新しいのは素振りをしている感覚でボールを打っている。つかまりもいいし、顔も好き。飛距離もデータでは5ヤードはしっかり伸びている。感触はすごくいいです」。昨季のシーズン終了後からテストを重ねてきた新相棒への信頼は厚く、迷うことなくバッグに入れることを決めた。
今季はさらにマネジメント会社を渋野日向子、吉田優利らと同じ「ZONE(ゾーン)」に変更。新たにトレーナーもつけるなど環境を整えて、3年目のシーズンに挑む。「例年と同じく充実したオフを過ごせた。不安も緊張もあるけど、今年は新しいエッセンスがあるので楽しみ」。日本勢は史上最多の13人が参戦する今年の米ツアー。「(竹田)麗央ちゃんも開幕戦から頑張っている。頑張っている人を見ていると自分も頑張ろうと思う。必死に食らいついていきたいです」。今年こそは海の向こうから米ツアー初Vを日本のファンに届けてくれそうだ。(文・臼杵孝志)