日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は15日、原英莉花が2025年の単年シードを放棄したことを発表した。これで原は米下部のエプソンツアーに専念する意向を示したが、この決断がもたらす影響について整理してみよう。
原は昨年の日本ツアーでメルセデス・ランキング24位に入り、シード権を獲得。12月の米国女子ツアー最終予選会(Qシリーズ)は67位でエプソンツアーの出場資格を手にした。
JLPGAの規定では、エプソンツアーは国際ツアー登録の対象外とされているため、『前年度欠場競技の出場義務』が免除されない。原が単年シードを保持したまま出場義務に違反すれば、1試合につき罰金100万円が科されることになる。しかし、シードを放棄したことで、このペナルティを回避できる。
さらに、シード放棄により『出場義務試合数』に関する制約もクリアした。国際ツアー登録をしていない単年シード選手には開催試合数の60%以上の数の試合に出場する義務が課されている。この条件を満たさなければ、翌年の単年シード対象外となるが、原はシードを放棄したため、この制約からも解放される。
シード権を放棄してもツアー5勝の資格でTP(トーナメントプレーヤー)特別登録者として認められるため、推薦枠で年間8試合に出場が可能。さらに歴代覇者として「日本女子オープン」、直近3年間のメジャー優勝資格で「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」、「ソニー 日本女子プロ」の公式戦3試合の出場権を持っているため、現時点で11試合に出場することができる。
そのなかでポイントを積み上げてリランキングを突破すれば、さらに試合に出場することができる。優勝はもちろん、ランキングトップ50に入れば、来季のシード権を再び獲得することだって可能だ。つまり、単年シードを放棄したからといって、原が今年日本ツアーに出場できなくなるわけではない。ファンにとっては安心材料となるだろう。
ただ、原自身は昨年の最終予選会で「新鮮ですね。いつでもルーキーの気持ちでいたい。自分が目指しているプレーに近づくための一歩」と語り、あくまで米下部ツアーに専念する覚悟を示している。
エプソンツアーは2月28日に開幕する「セントラル・フロリダ選手権」で新シーズンがスタート。原は開幕からのフロリダ3連戦にエントリーしている。25歳の新たな挑戦に注目だ。