＜JMイーグル・LA選手権　初日◇27日◇ウィルシャーCC（米カリフォルニア州）◇6447ヤード・パー71＞

14番から17番までに3つのボギー（1バーディ）を叩き2オーバーで折り返した前半だったが、渋野日向子は後半に息を吹き返した。2番から3連続バーディ。その後もボギーなしでラウンドを進めて、1アンダー・33位タイで滑り出した。

苦しいラウンドから救ったものとして、「やっぱりチップイン（バーディ）があったからかな」と後半の2番パー5で生まれたビッグプレーを挙げる。1番では長いパットを決めてなんとかパーセーブし、その直後に奪ったバーディが値千金の一打になった。

すると「そこから流れはすごくよかった」と、続く3番で1.5メートルを、4番で3メートルとショットをピンに絡める。一気にアンダーに潜る、3連続バーディをスコアカードに刻んだ。「乗らなくてもなんとかパッティングで微妙な距離も決められていたし、すごく集中できていた」。午前組で回る2日目につなげることができた。

3、4番でチャンスにつけたショットについては、「あまり悪い感触でもないし、めちゃめちゃいい感触でもないけれど、それなりにグリーンを大きく、しっかり広く見てできているかなと思う」と話す。先週のメジャー大会では4日間を通じ、ショットへの満足感を口にすることがなかったが、「めちゃくちゃ小さい」と開幕前に警戒感を示してたグリーンと対峙し、18ホール中11ホールのパーオンにも成功している。

そのグリーンに敷かれるのはポアナ芝だが、これには米ツアー参戦初年度だった昨年、苦しめられた。さらにこの日は午後組でのプレーで、ボコボコした状態。それでも今年は「そこについてあまり考えてなかったし、『ここポアナだったっけ？』という感じだけれど、よく見たらポコポコしていたから、ああポアナだと思い出したくらい。そんなに影響はされなかった」と、苦手意識を持つことなくプレーできたのも大きい。

終盤の8番で1.5メートルのパーパットを沈め笑顔を見せたが、随所で微妙なパットを沈めるなど、確かにその影響の大きさを感じさせる場面は少なかった。「（要所でのパーセーブは）私にしては珍しい。自分のストロークに集中していたぶん、しっかり打てていた」。こういった部分も、明日以降への糧になりそうだ。

先週の「シェブロン選手権」最終日のラウンド後には、苦しかった昨年から一転、今は前向きにゴルフができている心境を明かし、「ちょっとは成長できたかな」と話していた。逆境のなか集中したこの日のラウンドのなかにも、それは感じられる。「遅い成長ですね」と言って笑ったが、「後半もボギーなく回れたのはすごく大きかった」と、ここはうなずける部分といえる。

それでもカットラインをわずか1打上回っている状況ということもあり、スッキリ感は少ない。特に「ボギーにしてはいけないところでしている」という部分を反省する。「しっかり明日は頑張らんと。ちゃんと頑張ります」。2日目を終えた時、予選通過、そしてしっかりと上が見える位置に浮上すること。それを心に誓い、スタートティに立つ。（文・間宮輝憲）