<DIOインプラントLAオープン 最終日◇2日◇パロス・ベルデスGC(米カリフォルニア州)◇6447ヤード・パー71>
昨年は米ツアー7戦目にして初めて予選落ちを喫したコースで、渋野日向子は17位タイで4日間を戦い抜いた。開幕前には「ズタボロにされたコース」とさえ言うほど悔しい気持ちを味わった1年前。それを踏まえれば「大リベンジ(笑)」に成功。それでも渋野は苦笑いの表情を浮かべる。
その理由は「ボギーの数が多すぎる」から。4日間で奪ったバーディの数は21個だが、最終スコアはトータル6アンダー。15打落としていることを悔やみ、「バーディの数に対してトータルのスコアがどうしても納得いかないような結果」。出入りの激しい内容に首を傾げた。
それでも、少しだけ胸を張って言えることもある。「基本的に落ちていくとそのまま落ちていくタイプだったけど、やっぱり頑張らんとと思って。なんとか耐えてアンダーとか。粘り、納豆のようにね」。ずるずると続きそうな失速を自ら断ち切り、カムバックをみせ続けた。
初日は4つのボギーが先行したが、後半に2つのバーディを奪ってカットラインにしがみつく「73」。そして2日目は連続バーディ発進を決めたものの5番のダブルボギーで振り出しに戻ったが、その後5つのバーディ(2ボギー)を奪って「68」をマーク。カットラインを3打上回って、予選通過を果たした。
3日目は3バーディで迎えた中盤に“悪夢”の4連続ボギーを喫したが、直後にもう少しでホールインワンのスーパーショットで流れを断ち切り、そこから2バーディを奪って「70」のアンダーパー。前半6バーディ(1ボギー)で伸ばしていったが、折り返してすぐに連続ボギーを叩いた最終日は、その2つの借金を終盤にしっかりと獲り返す。4日間でベストスコアの「67」で締めくくった。
「18ホールもあればいろんなことがあるなと感じる4日間だった。悪いスタートを切ったと思ったらバーディ獲れたり、普通にバーディ発進からガタガタ落ちちゃうとか。本当に一打一打変わってしまうなと感じることが多すぎた感じでした」
それでも“納豆のような”粘りのプレーで、諦めずに攻め続けた4日間。振り返ってみれば、先週のアリゾナ戦でも初日126位タイと大きく出遅れたが、2日目に米ツアー自己最少ストロークタイ「64」のビッグスコアを叩き出して上位フィニッシュ。先月のタイ、シンガポールのアジア2連戦では「最後イーグルで1アンダーとか」(ホンダ LPGAタイランド最終日)など、8ラウンド連続オーバーパーはなかった。
今大会の2日目には「1日目に迷走することがいまは多いので、しっかり2日目で伸ばせて予選通過できているのはすごくいいことだと思うけど、もうちょっと自分にプレッシャーをかけないようにゴルフはしたいなと感じますね」と話していた渋野。それでも今季見せ続けている数々の“カムバック”は、渋野らしさのひとつでもあるだろう。
青木翔コーチとの再タッグで大胆なスイング改造に取り組み、クラブも再調整して臨んだ米本土2連戦。この2週間を振り返れば「自分が思ったよりはマシなのかなって感じています、正直」となかなかかみ合わないなかでもしっかりと成績を残すことができている。1週間のオープンウィークを挟み、次戦は昨年優勝争いを演じた「ロッテ選手権」。ここでも粘り強いプレーをみせてほしい。(文・笠井あかり)