来季の出場権をかけて最終予選会が行われている今週、2024年のLPGA(米国女子)ツアーが200万ドル(約3億円)の赤字になると米ゴルフウィーク誌が報じた。シーズン最終戦で優勝賞金400万ドル(約6億円)をジーノ・ティティクル(タイ)ににこやかに手渡したLPGAツアーのコミッショナー、モリー・マークー・サマーン会長は約1週間後に退任を発表でゴルフ界を驚かせたばかりだった。
来季2025年は今季と同じ33公式大会と2非公式大会の計35大会を開催、賞金総額は1億3100万ドル(約203億500万円)で、過去最高額だった今季の1億140万ドルの更新を発表したばかり。
しかしながら、赤字の原因は賞金の高騰ではないという。LPGAというツアーを運営するためにLPGAツアーはここ数年で35%もの人員を増加したという。ツアーの露出を増やすためにスタッフ増員という投資をしたが、その見返りは簡単ではない。ツアーがSNSを発信し、トーナメントと選手を幅広く広めてきた。だが、この赤字という事態に選手はそんなに動揺はしていない。
選手理事を務めるアシュレイ・ブハイ(南アフリカ)は「利益を得るためには、支出をしなければならない」とコメント。一方で、世界ランキング1位のネリー・コルダ(米国)が7勝というシーズンを送り、久々の米国人スター選手が活躍を見せたが、来季は賞金が増額したといえどもわずかで試合数も変わらなかったことに危惧を見せる選手もいたという。新しいコミッショナーはさらなるビジネス手腕が問われることになる。(文・武川玲子=米国在住)