<フォード選手権 事前情報◇26日◇ワールウインドGC(アリゾナ州)◇6661ヤード・パー72>
先週、千葉県で行われた国内ツアー「Vポイント×SMBCレディス」を制し、主戦場へと戻った吉田優利は今、「ゴルフがだいぶよくなった。気持ちのいいゴルフができてます。ストレスがどんどん減っているのを身をもって感じてまます」と、晴れやかな表情でアリゾナ戦への調整を行っている。
スポット参戦した日本では、2位に9打差をつけて圧勝。うれしいのは、ゴルフの内容と結果がリンクしているところ。米ツアーに初参戦した昨年は、本土戦が始まった3月に初戦を迎えた。ちょうど1年が経過したことになる。その時の状態については「あの時期はいい感じもなく、うまくスコアだけを作っていた感じ」と振り返る。
しかし今は「思った通りに打てる回数も増えた。うまくできなくても内容はいい」と言える。「スイングはもちろんですけど、球のコントロール、スピンの入り方、球が当たった時の感覚とか、自分のパターンが把握できるようになってきた。ミスが許容範囲を越えなくなったのも一番かなと思います」。この実感が結果に出たのが、先週というわけだ。
1年前は、1月にフロリダで行われた本土戦(LPGAドライブオン選手権)や、アジアでの試合には出ずに、3月を“開幕”とした。しかし今年は、中国での試合などすでに米ツアーで2試合を消化。日本での戦いに加え、台湾にもスポットで出場するなど、実戦のなかで状態を上げている。「試合をしてる方が、いいスイングができる。今年は試合を増やして、うまくいってるかな」と、本人も手応えを得ている部分だ。
ただ、その優勝では、こんな“危機感”も覚えた。ひとり異次元のゴルフでトロフィーをつかんだが、最終日の「71」というスコアがその原因。「最終日が1アンダーだとアメリカでは優勝できていない気がする。まだまだだなと思いました」。米国女子ツアーで優勝するには、最終日に伸ばしきる力が求められる。すでに頭は“米国基準”になっている、ともいえる。
今季の日本ツアーは2試合を消化。開幕戦は岩井千怜、そして2戦目が吉田と、結果的に米ツアー組が連勝し強さを印象づけた。「日本のフィールドになかなか行く機会はないし、そこでパフォーマンスを発揮するしかない。そういう機会を逃さないよう大事にしたいと思ってますね」。“課題”を乗り越え、昨年は手にできなかった米国でのシード、そして優勝へと向かっていく。