<マイナビネクストヒロインゴルフツアー 開幕戦 マイナビカップ 初日◇13日◇成田ゴルフ倶楽部(千葉県)◇6411ヤード・パー72>
2003年12月24日生まれの21歳・竹原美悠にとって、海の向こうから伝わってきた高校時代の同級生の活躍は、驚きを与えてくれるとともに刺激になる。それだけに「きょうは前半はよかったけど、後半からショットが曲がって伸ばせなかったですね」と首位と3打差の3アンダー・7位タイで滑り出した開幕戦初日の内容は、ちょっぴり物足りない。
オフは、地元の熊本県でこれまでメニューに組み込んでこなかったトレーニングでも汗を流した。走り込みに、ウェイトトレーニング。その目的については、「傾斜地でのショットの安定感や飛距離が欲しかった。ショットでいいバーディがたくさん獲れるように」と明かす。「スイングがよくなってきました。まだそこまで重いものは持てないですけど、今は(重量)20キロくらいのものならなんとか」と、効果も実感する毎日だ。
「“次元が違いすぎて”という気持ちが大きいですね」と話すのは、熊本国府高時代のゴルフ部の同級生だった竹田麗央のこと。先週、中国で行われた米ツアーで通算2勝目を挙げたというニュースを日本に届けたことは言うまでもない。竹原も“おめでとう”と祝福のメッセージを送ったという。“ピン”とこない気持ちもあるが、刺激になるかと聞かれると「なります!」と即答する。
高校時代、試合になると竹田が主将、そして竹原が副主将を務め、強豪校を引っ張った。「3年間、お互いを刺激し合って。団体戦で組んだりしたことはいい経験ですね」。それもあって、こんな思いを強くする。「ゴルフのタイプは全然違うけど、メンタル的な部分で似てるところがある。高校3年間、間近でやってきたのを見てるので、“私もいける”と思えられるし、諦めずにやりたい」。まずは5度目の挑戦となるプロテスト突破に向け、このツアーで結果を残していく。
昨年はQTから台湾ツアーにも参戦。「日本なら『外に出たらダメ!』って言われそうな風のなかでもプレーしました。中止だろうな、って思うくらいだったんですけど」。異国での経験が精神、そして技術を磨くのに役立った。「UTが苦手なので」と、1番、3番、5番、7番、9番と5本のウッドを入れるクラブセッティングも目をひく。自分に合ったものを見極め、取り入れながら、次のステージを目指す。
昨年のマイナビネクストヒロインゴルフツアーでは、第12戦でホールインワンを達成し、同ツアー初優勝も挙げた。「今年はマイナビネクストヒロインで2勝を挙げたいです」。自分のペースでコツコツと、今は数歩先を歩んでいる同級生の背中に近づいていく。(文・間宮輝憲)