<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー◇第12戦 マイナビカップ◇20日 本戦(一日競技)◇森永高滝カントリー倶楽部◇6341ヤード・パー72>
強い風が吹くなかで行われたマイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第12戦「マイナビカップ」。2022年から同ツアーに参戦する藤川玲奈は、自身最高位の3位で大会を終えた。
「もともと飛距離が出ないほうなので、風が強いと距離が残ってしまいます」と、風のラウンドがあまり得意ではないという藤川。それでも4バーディ・2ボギーの「70」をマークできたのは、“思い込み”が理由だった。
プロテスト第1次予選を通過できず、「こんなに練習しているのに、どうして結果がついてこないのか」をコーチと話し合った。「結局はメンタルが大事。同じくらいのレベルにいても、心の持ちようや考え方でスコアが変わる」という結論に達した。
そこで、実践したのが自分自身に暗示をかけるように思い込むこと。「前までは風が吹くなかでスコアを出せなくても『苦手だから仕方ない』と逃げがちでしたが、『自分は風が得意だ』と思い込むようになってからポジティブにプレーできるようになったんです」。むしろ、「他の人より後ろからいい位置につけられたら、プレッシャーをかけられるな」と、考え方次第で自分の短所が武器になるという発見ができた。
さらに、プロテスト第1次予選で涙を飲んでから復調できたのも、“思い込み”のおかげ。「ボギーを打っても、『今のはボギーじゃなくてパーだった』と思い込んで、気持ちが切れないようにした」ところ、同ツアーの第9戦、第10戦と連続でアンダーフィニッシュ。予選会を勝ち抜いて「日本女子オープン」にも出場して調子が上向き、今大会でも自身最高位の3位に入り、結果も伴ってきている。
年間を通じて試合があり、好敵手たちと切磋琢磨できるネクストヒロインゴルフツアーに参戦しているからこそ、「成長できた」と話す藤川。悲願の初優勝も近いかもしれない。(文・杉本夏希)