JLPGAプロテスト合格を目指す、25歳以下の若手女子ゴルファーたちに経験を積む場を提供する年間ツアーとして、2019年に発足した『マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー』。節目の5年となる2023年シーズンは年間15試合が開催され、計162名が出場。そのうち23名が『JLPGA最終プロテスト』に進出し、4名が見事合格を果たした 。
年間を通じて活躍した選手のみが出場できる「ツアーファイナル」(11/16~17の2日間大会)には、プロテストを突破した政田夢乃、本明夏ら36名が参戦。優勝賞金500万を目指して熱い戦いが繰り広げられたが、年齢制限のある同ツアーに参戦可能な最後の試合だった25歳の佐々木理乃が初優勝を飾り、2023年シーズンの幕が下ろされた。
「ツアーファイナル」出場選手で、佐々木同様、25歳の年齢制限による“卒業”となった1998年生まれ組は、36名中10名。そのうちのひとり、土方優花は2019年のオープニング大会「パ―ゴルフチャレンジ」を制した、唯一ツアー発足当初から参戦してきた選手だ。
「新しい試合の開幕戦で優勝したときはすごく嬉しかった記憶があります。これまで当たり前のように、関わってきたのでやっぱり寂しいですね」。21歳から25歳まで5シーズンで26試合に出場。19年当時、年間ポイントランキングを争っていた河野杏奈、成澤祐美、山田彩歩は、既に“プロ入り→卒業”を果たしているが、土方は未だプロテスト合格へ向けて挑戦を続ける立場だ。
初受験時は2次予選敗退も、以後は5年連続最終プロテスト進出。だが今年はまさかの2次予選敗退となり、「言い訳になってしまいますが…胃腸風邪になってしまい、熱の症状もあって思うようなプレーができなかった。自己管理不足ですよね。自分に呆れてしまって、すぐに“来年頑張ろう”という気持ちの切り替えができず、かなり落ち込みました」と、モチベーション維持にヒビが入る結果となってしまった。
2023年プロテスト受験者総数は698名。合格者は21名となったため、合格率は3%。また1次予選のレベルも上がっているという選手たちの声も耳にするなど、狭き門が年々“より狭くなっている”傾向にある。
「20歳ごろは、プロテストは通過点で、合格したあとはレギュラーツアーでシードを獲る!と言っていました。でも良くないこととわかっていますが、いつしか“合格することがゴール”で“ライセンスさえもらえれば”と思ってしまう瞬間も…。もちろん合格できたらその先を考えていけますが」と、描いていた将来像が徐々にブレていくことも。
だが、今年は29歳で合格を果たした石田可南子の例もあり、「可南子さんの結果をみて、“叶うんだな”って勇気をもらいました。ツアープロとして活躍するためにプロゴルファーを目指した。ここまで来たら諦められない自分がいる。またイチから頑張ります」と自らに言い聞かせた土方。来年は8度目の受験。葛藤を抱えつつも、目標達成のために邁進していく。