ネクストヒロインの新藤励は今季、新たな挑戦をしている。ティーチングプロフェッショナル資格A級を取得して会員になると、2023年に行われたQT1次の出場権をかけた「ティーチングプロ競技会」を7位で通過。QTランキングは191位になった。それにより、下部ステップ・アップ・ツアーにここまで7試合出場している。
ステップ初出場だった5月「ツインフィールズレディース」でいきなり4位に入った。「順位を考えるというよりはオーバーを打たないゴルフを目指していた。ちょうど天気が悪くて、ガマン大会でうまくいっただけ。たまたまです」と自己評価は控えめだが、「RFG佐嘉窓乃梅カップ」も9位で2連続のトップ10入りを果たした。
今季からステップでも、明治安田ステップ・ランキング(賞金ランキング)によるリランキングが実施されるようになった。上々なシーズンの滑り出しだったため、その突破も視野に入れたいところだったが、続く2試合はともに予選落ち。QTランク下位で試合に出場できる回数も限られているとあって、気分も落ち込んでしまい、ウェイティングから出場することも考えなくなったという。
レギュラーツアーでは6月、9月と2度のリランキングがあるが、ステップは10月の1回のみ。しかも残り6試合というタイミングで実施されるため、仮に突破しても巻き返しは難しい。「私が出られない間にほかの方がどんどん順位を上げていくと思う」という予想とは裏腹に、18位でリランキングは突破できた。だが、ファイナルQTの出場権が与えられる賞金ランクトップ10との差は、リランキング時点で約447万円。かなり厳しい状況にあった。
その一方で、ネクストヒロインゴルフツアーの最終戦(11月14~15日)は優勝賞金500万円で、優勝賞金はステップ最終戦「京都レディス」(11月13~15日)の優勝賞金360万円よりも高額。「ファイナルとステップの最終戦が被っていて、(どちらに出場するか)悩んでいます」というのが偽らざる本音だ。
ステップでは、ツアープロと同じ舞台でプレーできることで、学ぶことは多い。「アプローチやパターのうまさを勉強しています。自分のゴルフを頑張りつつ、余裕ができたときに、見て盗めるところがあると良いなと」。技の引き出しも増え、第9戦「マイナビカップ」でのツアー初優勝につなげた。
ステップ、ネクストヒロインツアーに出場しながら、プロテストにも挑戦。2次で敗退することになったが、ティーチングプロ競技会は首位タイで通過し、今年もQTを受験できることになった。目標に近づく方法は様々だが、少しずつ前進しているはず。経験や培った武器を手に、精一杯、目標を追いかけている。(文・笠井あかり)