<マイナビ チャレンジマッチ THE Heroines 2025 一日競技◇12日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6427ヤード・パー72>
大会前日に行われた予選会で「68」を出して4アンダーでトップ通過を決めた久世夏乃香(くせ・かのか)。「今日の方が風が強くて難しかった」と苦労しながらも、イーブンパーの「72」にまとめ、マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーに出場する選手の中では最上位の6位タイでフィニッシュ。「今年もたくさん出場できたらいいなと思うので、最初の試合を上位で終われてうれしい」と白い歯をこぼした。
今大会はレギュラーツアー選手10名、ステップ・アップ・ツアー選手10名、マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー選手10名、そして予選会を勝ち上がった10名が18ホールストロークプレーで戦う一日競技。レギュラーツアーで優勝経験のある櫻井心那、若林舞衣子、新垣比菜、山内日菜子、天本ハルカ、蛭田みな美、尾関彩美悠、川岸史果、岡山絵里らも出場した。
また、マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー(マイネク)は「将来有望な若手女子ゴルファーに賞金のかかった真剣勝負の機会を提供することにより大きく羽ばたいてもらいたい」という思いを込めて2019年に発足。「プロテストに出る子たちばかりで、一緒に回っていて緊張感もあって、試合勘が養えるのがいいなと思います」と久世は一年戦った感想を話す。昨年は青木香奈子や平塚新夢ら、過去最多となる7名のJLPGAプロテスト合格者を輩出している。
久世は昨シーズン、マイネク8試合に出場し初優勝も達成。マイナビポイントランキングでは17位と今大会の出場枠に届かなかったため、予選会からの出場で本戦の枠を勝ち取った。「今日の前半はなかなか攻めきれずにボギーが続いてしまって苦しかった」と、ボギーフリーで回った前日よりも苦戦。5番から3連続ボギーを叩いて、一時は2オーバーまで下降したが、後半に入ってから「イーブンに戻せて良かったです」と、2つスコアを伸ばしてマイネク勢の意地をみせた。
そもそもプロテストに合格していない選手は、レギュラーツアーのトップ選手と回る機会は少ない。久世はこの日同組になったツアー1勝の蛭田、下部ツアー4勝の山城奈々とのラウンドを楽しみにしていた。驚かされたのは飛距離の差。「2人とも飛ぶんですけど、ドライバーの距離が違いすぎて、すごいなーと(笑)。私の飛距離は230~240ヤードの間だと思うんですけど、2人はキャリーが私の位置くらいで、20ヤードくらい前でした」と目を丸くする。
昨年のプロテストでは第2次予選をトップで通過した久世。しかし、続く最終プロテストでは合格に2打届かず涙を飲んでいる。「プロってこれだけ飛ばないと難しいのかな。私も頑張って振っていたんですけど全然届かなくて、距離を伸ばそうと思いました」。今年のプロテスト合格、その先にあるツアーでの活躍に向けて取り組むべき課題も見つかったようだ。
最終プロテストまで進んだことにより、今年も第1次予選が免除され、第2次予選からの出場となる。「2次も難しいので気を抜かずに頑張って、最終はトップ目指して頑張ります」。次にマイネクでの目標について聞くと、「まずは1勝を目指して。去年1勝できたので、2勝できるように頑張りたいです」と力強い言葉が返ってきた。イ・ボミ(韓国)に憧れる21歳は、マイネクで着実に結果を残しながらツアープロへの道を突き進む。