2023年は全15戦が予定されているマイナビネクストヒロインゴルフツアー。このツアーは、将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として、19年に始まった。4月6日に始まる今季開幕戦「マイナビカップ」を前に、活躍必須の推しヒロインを紹介しよう。
現役高校生のネクストヒロイン・鈴木陽菜 クラブを振ることができない腰痛を手術で乗り越え、今年プロテスト初受験
将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むため場として、2019年に始まったマイナビネクストヒロインゴルフツアー。そのツアーで今季も活躍必須の選手を紹介する。
配信日時:2023年3月11日 03時30分
2023年は全15戦が予定されているマイナビネクストヒロインゴルフツアー。このツアーは、将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として、19年に始まった。4月6日に始まる今季開幕戦「マイナビカップ」を前に、活躍必須の推しヒロインを紹介しよう。
今回は、22年からマイナビネクストヒロインゴルフツアーに参戦している鈴木陽菜(すずき・ひな)。05年生まれで、23年の誕生日で18歳になる現役の高校生だ。マイナビネクストヒロインゴルフツアーには、アマチュア資格を放棄して参戦している。
■10歳でゴルフを始め、ティーチングプロの父が先生
「ゴルフを始めたのは10歳くらいのとき。女子ツアーの試合を見に行って、選手たちが私にはかっこよく見えたのが始めた理由です」と、鈴木。
父・岳志さんが一ノ瀬優希の帯同キャディをやっていたことなどもあり、鈴木にとって女子プロツアーは身近な存在だった。そして岳志さんは鈴木が生まれるくらいのころから、プロ資格を取得してティーチングプロの道へ。もちろん、鈴木のゴルフの指導も岳志さんの役目だった。
「父はゴルフのことをずっと好きでいられるような教え方で、基本優しいけれど、ここぞというときはとても厳しいです」と、鈴木。その指導のおかげか、「最初はなんとなくやっていただけなんですが、だんだんとプロになりたいという気持ちが大きくなってきました」と振り返る。
中学時代は陸上部に在籍し、クラシックバレー教室にも通っていた。だが、体に染みこんでゆくように、ゴルフに気持ちが入っていったという。ところが、そんな鈴木に試練が訪れる。中学3年のときだった。
「腰椎椎間板ヘルニアを発症してしまったんです。長時間立っていることもつらいほどの痛みでした」
■ゴルフを再開したいという思いから、手術を決意
もちろんクラブを振ることはできなかった。だが、ゴルフをやめたくない。その強い気持ちで鈴木は手術に踏み切った。
「高校1年の6月に手術をしました。ゴルフを再開したいという思いが強かったので、怖さはなかったです。このときゴルフに対する覚悟ができたんだと思います」
クラブを振ることはもちろん、プロツアーで戦う姿をも見据えていたのだろう。手術をして1カ月後にはアプローチの練習を始めた。ひたすら腰から腰の振り幅でクラブを振り続けたという。「ゴルフをいつでも再開できるようにと通信高校に進学」していたこともあり、「ゴルフ以外の道は見えていませんでした」と、話す。
手術からおよそ10カ月後、鈴木はマイナビネクストヒロインゴルフツアーに初参戦。22年4月の試合だった。プロテスト合格前の選手たちのツアーとはいえ、賞金を稼ぐ戦い。「ジュニアの試合とは違っていました。カメラでの撮影が入っていたりして華やかな場だと感じましたが、華やかさだけではないレベルの高さも実感しました」と、振り返る。
実力不足を実感した鈴木は、スイング作りをイチから再開。「ケガをしてからゴルフのことを嫌いになったりした時期もありましたが、ネクストヒロインに出てまた好きになれました」というように、それからゴルフ漬けの日々が始まった。
ここで気になるのは、鈴木がなぜアマチュア資格を放棄してネクストヒロインゴルフツアー参戦を決めたのかだ。その疑問には「お父さんとも話をして、アマチュアの試合に出るよりも、プロとして賞金のある試合に出たほうが実力を上げられる、と判断したからです」と、答えた。
腰椎椎間板ヘルニアで2年ほどブランクがあり、同世代の選手に出遅れたと感じたのだろう。「レベルの高い世界に身を置いたほうが近道なのでは、と考えました」というように、少しでも早く第一線に復帰できる道を模索したのだ。
JLPGAプロテストは、今年初受験。目下の目標は一発合格だ。「プロテストを受けた先輩から、回数を重ねるごとに怖さが増してくると聞きました。できるなら一発で合格したいと思っています。根拠はないんですが、自分ならできると信じています」と、鈴木。
父・岳志さんからは「テストのときは、パープレーで回る気持ちでいたらいい」と、アドバイスをもらっているという。アンダーパーが求められるプロテストだからこそ、イーブンでいいという安心感が攻めるショットにつながるということなのだ。「無心で臨みます」と、鈴木は力強く言い切った。
鈴木の今季初戦は4月6日に始まるマイナビネクストヒロインゴルフツアー今季開幕戦、「マイナビカップ」の予定だ。(取材/文・河合昌浩)
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