<マイナビネクストヒロインゴルフツアー開幕戦 マイナビカップ 最終日◇14日◇成田ゴルフ倶楽部(千葉県)◇6411ヤード・パー72>
初めて出場したツアーと呼ばれる試合は、24歳の商崎鈴菜(あきざき・すずな)にとって、「すごく楽しい2日間。緊張もしたけど、楽しいが8、9割を占めました」という時間になった。首位に立った初日からの逃げ切りはならず。1打差の2位という結果に終わったが、今後への大きな自信を抱くことはできた。
15、16番の連続ボギーもありトップの座を譲ったが、2打ビハインドで迎えた17番パー5で底力を発揮した。「打ち下ろしでフォローの風も吹いていた」という残り180ヤードのセカンドショットを、4番ユーティリティで打ち、2オンに成功。するとこれが、傾斜にも助けられ、3メートルのチャンスについた。「後半だけで3つボギーを打っていたので、せめて追いつかないと」。そんな思いを乗せたボールはカップに吸い込まれ、イーグルで再び首位に並んだ。
最終ホールで桑村美穂がバーディを奪ったため惜敗となったが、その表情は清々しい。「メンバーに恵まれて。優勝争いの緊張もあったし、2位は悔しいけど、また目標ができました」。昨年まではフェニックスCC(宮崎県)の研修生としてプロテスト合格を目指してきた。「試合っていいなぁ」。ポツリとこぼした言葉にも充実感がにじむ。
最終まで進んだ昨年のプロテストは、80位に終わり涙をのんだ。そこでゴルフを諦めることも考えたが、悔いの残らぬよう“あと1回”に賭けることを決めた。「今年1年のゴルフ人生と決めて、試合に臨もうと思ってます」。決意を胸に2025年を過ごす覚悟は変わらない。
中継のカメラが回るコースでは、こんなことを感じることもできた。「見ている人がいるのは力になる。応援してもらえるから頑張ろう、少しでもいいショットを打ちたいという気持ちになりました」。この2日間で感じた課題は、マネジメントとアイアンの距離感。地元の鹿児島に戻り、練習を積む中でも、今年はすぐに大きな刺激を得ることができる。
昨年のテストでは、やはりフェニックスCCの研修生としてプロを目指してきた同い年の青木香奈子が合格を果たした。「香奈ちゃんとは中学時代から仲が良くて、仲良し4人組として一緒にテストの練習ラウンドなどもしました」。親友2人が明暗を分ける形になってしまったが、それでも「香奈ちゃんにもいろいろと助けてもらってきて、悔しさよりもうれしさの方が大きかったですね」と振り返る。ただ、「まだ自分はあの舞台に立てないと実感した日でもありました」という思いが頭に浮かんだのも事実。今年こそカベを乗り越えないといけない。
「今年の一番大きな目標はプロテスト合格。それに向けて練習を重ねて、試合に出る機会をいただけたら優勝争いをまたしたいです」。デビュー戦は推薦で手繰り寄せたものだったが、今回の結果でこの後は出場権が確定する試合も増えてくる。親友とともに“あの舞台”に立つため、もうしばらく経験を積んでいく。(文・間宮輝憲)