<JLPGAファイナルQT 3日目◇28日◇葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コース(静岡県)◇6454ヤード・パー72>
今年のQTファイナルステージは、3日目開始時点で103人の選手たちが、来季の“QTランク”(優先出場順位)を争っている。では、このQTランクはどのように算出されているのだろうか?
■ファイナルステージで目指すのは37位以内
来年のレギュラーツアー前半戦にフルで出場できるのは、昨年の実績を踏まえると、今回のQTで37位以内に入る選手だと見込まれている。形式は4日間72ホールのストローク方式で、同じスコアで並んだ場合は以下の順でQTランクが決定する。
(1)最終Rのスコア
(2)第3Rのスコア
(3)第2Rのスコア
(4)最終Rの18ホールからのカウントバック
このように、試合出場のために明確な順位付けが必要になるため、いわゆる“●位タイ”という概念はない。ファイナルステージにエントリーした選手は、初日にティオフさえすればQTランク104位以内が確定する。今年の場合、第3ラウンドスタート前に今年のプロテスト合格組・加藤麗奈が棄権したが、プレーは行ったため、このままならファイナルステージを終えた選手の最後尾にあたる“QTランク104位”となる。
レギュラーツアーフル出場のボーダーがQTランク37位以内というのは先述の通りだが、QT104位以内に入れば下部ツアーであるステップ・アップ・ツアーの全試合に出場可能。つまりファイナルまで進んでいる選手は、最低でも来季ステップでのプレーが可能になるというわけだ。
■ファーストステージで敗退した場合は?
では、先週行われた1次予選に位置づけられる『ファーストステージ』で敗退した選手は、どのようにランクが付与されるのだろうか? 当然ながらQTに出場した選手全員に、この優先順位は割り当てられる。
ここで採用されているのが『連番制』というもの。これで、複数ある地区の垣根を越え、すべての選手を一括してランク化する。算出は『参加した地区での順位÷その地区の出場人数』を数値化するという方法を採用。その数値が『個人指数』になる、という仕組みだ。
例を挙げると、今年のファースト3地区で最多の90人が参加したC地区(兵庫・小野東洋ゴルフ倶楽部)で50位になった選手の個人指数は、50÷90で『0.56』(小数点第3位で四捨五入)となる。これを全地区全選手分割り出して、ランク化の基にする。
同じ個人指数で並んだ場合は、出場人数が多い地区の選手が上位となる。今年のファーストステージの各地区の人数はA地区が85人、B地区が89人、C地区が90人だから、C地区の選手が最優先となる。「人数やコース、コンディションが違う場所同士で、公平性を期している」(JLPGA)という考えのもと、ランクが与えられている。
さらに、ファーストで敗退した場合でもQTランク140位以内であれば、ステップの試合には概ね出場できる見込みが立つ。昨年からステップでもリランキングが導入されており、有効期限はそこまでになるが、やはり職場の有無は大きな違いになる。
QTファイナルステージも残り2日。一打の違いが大きく来年の出場権を左右する可能性もあるため、選手たちにとっては最後まで気が抜けない戦いになる。