<Qシリーズ(前半) 4日目◇5日◇マグノリアグローブ(米アラバマ州)◇クロッシングズC(6664ヤード・パー72)、フォールズC(6643ヤード・パー71)>
来年の米国女子ツアー参戦を目指す渋野日向子が、予選会となる「Qシリーズ」の前半戦をトータル6アンダー・24位タイで終えた。4日間競技が2週にわたって行われる長丁場。その前半戦の最終日は、同伴競技者の思わぬひと言から始まった。
緊張感のなかでも、いつもより笑顔多め?最終日フォトギャラリー
「おはようございます!」と声をかけてきたのは、フォリピン出身の24歳、ビアンカ・パグダンガナン。フィリピン代表として2018年のアジア大会で個人銅メダル、団体金メダルを獲得。米国の大学に進み、20年から米ツアーを主戦場としている選手だ。
そのアジア大会で金メダルを獲得したときのチームメイトが笹生優花。年齢では笹生の4つ上のビアンカ。笹生が姉のように慕う一人だ。ビアンカの母・ビンさんによると、「ユウカはいつもビアンカのことをアテ(=お姉さん)、アテと呼んでくるの。本当に謙虚でかわいくておもしろい子」と、二人の関係性を明かしてくれた。
渋野との同組を知った笹生からビアンカに連絡があり、『おはようございます』という日本語の挨拶が伝えられた。そして、この日の朝の一幕となる。
ラウンド中も笑顔で話す渋野とビアンカ。出場権をかけた予選会という雰囲気を感じさせないやわらかな雰囲気。もちろん真剣勝負なのは当たり前でライバルでありながらも…、渋野の組には和やかな時間も流れた。
ちなみにビアンカは、参戦初年度となった20年にポイントレース65位に入り21年も参戦したが、同125位にとどまり予選会へ。前半4日間を終えてトータル7アンダーの19位タイで、後半4ラウンド進出を決めている。ちなみに20年は平均飛距離1位(283.07ヤード)、21年も284.85ヤードで2位と、世界屈指の飛ばし屋。渋野もそのビアンカに飛距離で食い下がるシーンが何度もあったことを補足しておこう。
そしてもう一人同組となったのは、オーストラリアのサラ・ジェーン・スミス。国の代表として国際大会にも出場してきたベテランだ。夫のドゥウェインさんがキャディも務める仲睦まじい二人。とっても穏やかな二人が醸し出す優しい雰囲気で、こちらも渋野と日本訪問時の話などで親交を温めた。
現在37歳のサラ・ジェーンは米ツアーの優勝歴はないものの、息の長い選手として活躍を続けている。18年の「全米女子オープン」では5位に入るなどの実績も残したが、19年7月、第一子を授かり産休に入った。ママさんプレーヤーとなり、昨年2月にツアー復帰。今回の予選会にも息子を連れてきているという。
「東京と京都に行ったけど、京都のほうが好きと言っていた。2人ともいい人だった」と二人との会話の中身を明かした渋野。およそ予選会とは思えないムードも、気持ちを落ち着かせる一因となった。
こちらもサイドストーリー。サラ・ジェーンは17年の「TOTOジャパンクラシック」で来日した際、2日間を同組で回った青木瀬令奈と連絡先を交換するほど仲良くなった。「妻はセレナと友達なんだ。アイ(宮里藍)夫妻も元気かな? 懐かしいな〜」とドゥウェインさん。4日間を終えてスコアは渋野と同じくトータル6アンダーの24位タイ。ぜひとも来季の出場権を獲得し、さらにはTOTOに出場できる成績を収め来日し、青木との旧交も温めてほしいところだ。
日本と関係の深い選手との組に恵まれた渋野。これはやっぱり、何かの縁。9日からはじまる後半4日間の戦いで米ツアー切符を手にし、ビアンカやサラ・ジェーンとともに米ツアーを戦ってほしいと願う。(文・高桑均)
来年の米国女子ツアー参戦を目指す渋野日向子が、予選会となる「Qシリーズ」の前半戦をトータル6アンダー・24位タイで終えた。4日間競技が2週にわたって行われる長丁場。その前半戦の最終日は、同伴競技者の思わぬひと言から始まった。
緊張感のなかでも、いつもより笑顔多め?最終日フォトギャラリー
「おはようございます!」と声をかけてきたのは、フォリピン出身の24歳、ビアンカ・パグダンガナン。フィリピン代表として2018年のアジア大会で個人銅メダル、団体金メダルを獲得。米国の大学に進み、20年から米ツアーを主戦場としている選手だ。
そのアジア大会で金メダルを獲得したときのチームメイトが笹生優花。年齢では笹生の4つ上のビアンカ。笹生が姉のように慕う一人だ。ビアンカの母・ビンさんによると、「ユウカはいつもビアンカのことをアテ(=お姉さん)、アテと呼んでくるの。本当に謙虚でかわいくておもしろい子」と、二人の関係性を明かしてくれた。
渋野との同組を知った笹生からビアンカに連絡があり、『おはようございます』という日本語の挨拶が伝えられた。そして、この日の朝の一幕となる。
ラウンド中も笑顔で話す渋野とビアンカ。出場権をかけた予選会という雰囲気を感じさせないやわらかな雰囲気。もちろん真剣勝負なのは当たり前でライバルでありながらも…、渋野の組には和やかな時間も流れた。
ちなみにビアンカは、参戦初年度となった20年にポイントレース65位に入り21年も参戦したが、同125位にとどまり予選会へ。前半4日間を終えてトータル7アンダーの19位タイで、後半4ラウンド進出を決めている。ちなみに20年は平均飛距離1位(283.07ヤード)、21年も284.85ヤードで2位と、世界屈指の飛ばし屋。渋野もそのビアンカに飛距離で食い下がるシーンが何度もあったことを補足しておこう。
そしてもう一人同組となったのは、オーストラリアのサラ・ジェーン・スミス。国の代表として国際大会にも出場してきたベテランだ。夫のドゥウェインさんがキャディも務める仲睦まじい二人。とっても穏やかな二人が醸し出す優しい雰囲気で、こちらも渋野と日本訪問時の話などで親交を温めた。
現在37歳のサラ・ジェーンは米ツアーの優勝歴はないものの、息の長い選手として活躍を続けている。18年の「全米女子オープン」では5位に入るなどの実績も残したが、19年7月、第一子を授かり産休に入った。ママさんプレーヤーとなり、昨年2月にツアー復帰。今回の予選会にも息子を連れてきているという。
「東京と京都に行ったけど、京都のほうが好きと言っていた。2人ともいい人だった」と二人との会話の中身を明かした渋野。およそ予選会とは思えないムードも、気持ちを落ち着かせる一因となった。
こちらもサイドストーリー。サラ・ジェーンは17年の「TOTOジャパンクラシック」で来日した際、2日間を同組で回った青木瀬令奈と連絡先を交換するほど仲良くなった。「妻はセレナと友達なんだ。アイ(宮里藍)夫妻も元気かな? 懐かしいな〜」とドゥウェインさん。4日間を終えてスコアは渋野と同じくトータル6アンダーの24位タイ。ぜひとも来季の出場権を獲得し、さらにはTOTOに出場できる成績を収め来日し、青木との旧交も温めてほしいところだ。
日本と関係の深い選手との組に恵まれた渋野。これはやっぱり、何かの縁。9日からはじまる後半4日間の戦いで米ツアー切符を手にし、ビアンカやサラ・ジェーンとともに米ツアーを戦ってほしいと願う。(文・高桑均)