二つ目は、『リハビリテーション』だ。主治医の濱田頼臣医師は、心筋梗塞発症者への術後のリハビリの重要性に関してこう説明をする。(※心筋梗塞の体験を多くの人に伝えたいという山崎泰宏の強い思いから、濱田頼臣医師には特別に許可をいただいて取材しています)
「心臓だけを私たちが治療をして帰しただけでは、その後、患者さんの運動能力は上がらないということで、宇部興産中央病院では『心臓リハビリ』を積極的に推進しています。心筋の壊死により心臓の動きが落ちたとしても、筋力や肺、血管の内皮機能等、他の部分の能力がアップできれば今まで通りの生活が送れるし、『軽い運動ならできますから』ということは、リハビリをやっていく中でお話しはしています」。
特に、山崎の場合は退院後にドラコンプロへの復帰を望んでいたために、濱田医師も強度も含めて高いレベルのリハビリを組み、それが入院生活の長期化に繋がったのであった。
以下、山崎の病状とリハビリの推移と、その時の彼の心情を記す。
■4日目
右足の付け根に付けてあったカテーテルが取り除かれた。
「久しぶりにベッドから起き上がったら、体が重くて気持ち悪かったです。最初は台車に掴まっての50メートルの歩行からなんだけど、人間って、こんなに弱くなっちゃうんだって思うほど、たかが50メートルが歩けなかった」
■13日目
ICU(集中治療室)から一般病棟に移る。
■14日目
最後に残った腕の点滴と酸素マスクが外される。
「先生に『俺、現役復帰したいので、早くトレーニングや練習がしたいんだけど』と言うと、トレーニングなんてもってのほか。ただ呼吸を止めずにできる低強度の運動なら良いと認めてもらった」
そこで山崎はドラコン仲間の和田正義にゴムチューブを送ってもらい、病室内で軽いトレーニングを開始した。
■27日目
CPX(心肺運動負荷試験)検査で、エルゴメーターという固定式自転車を漕ぐテストを開始する。CPXは心電図、心拍数、血圧、呼気ガスを測定しながら自転車を漕ぐことで、運動能力の評価する検査で、この検査の結果を受け40ワットの負荷の許可が出た。
「自転車を漕いで、これ以上は無理という数値を出すんですよ。もちろん、先生たちが見ているし、肺と心臓の状態が分かるオシロスコープがあるので安全性は確保されているんだけど、でもすごく苦しい。今まで経験したことがないほどきついことをやったという感じでした」
■28日目
CPXのエルゴメーターでの運動が、40ワットの負荷で15分間漕げるまでに体力的には回復。
■38日目
CPXの運動強度的には高い数値が出せるようになるものの、測定結果で不整脈が表れるなど心臓の状態はなかなか改善されない。そこで濱田医師は、一年前に承認された新薬の投与などを試みた。
「心臓だけを私たちが治療をして帰しただけでは、その後、患者さんの運動能力は上がらないということで、宇部興産中央病院では『心臓リハビリ』を積極的に推進しています。心筋の壊死により心臓の動きが落ちたとしても、筋力や肺、血管の内皮機能等、他の部分の能力がアップできれば今まで通りの生活が送れるし、『軽い運動ならできますから』ということは、リハビリをやっていく中でお話しはしています」。
特に、山崎の場合は退院後にドラコンプロへの復帰を望んでいたために、濱田医師も強度も含めて高いレベルのリハビリを組み、それが入院生活の長期化に繋がったのであった。
以下、山崎の病状とリハビリの推移と、その時の彼の心情を記す。
■4日目
右足の付け根に付けてあったカテーテルが取り除かれた。
「久しぶりにベッドから起き上がったら、体が重くて気持ち悪かったです。最初は台車に掴まっての50メートルの歩行からなんだけど、人間って、こんなに弱くなっちゃうんだって思うほど、たかが50メートルが歩けなかった」
■13日目
ICU(集中治療室)から一般病棟に移る。
■14日目
最後に残った腕の点滴と酸素マスクが外される。
「先生に『俺、現役復帰したいので、早くトレーニングや練習がしたいんだけど』と言うと、トレーニングなんてもってのほか。ただ呼吸を止めずにできる低強度の運動なら良いと認めてもらった」
そこで山崎はドラコン仲間の和田正義にゴムチューブを送ってもらい、病室内で軽いトレーニングを開始した。
■27日目
CPX(心肺運動負荷試験)検査で、エルゴメーターという固定式自転車を漕ぐテストを開始する。CPXは心電図、心拍数、血圧、呼気ガスを測定しながら自転車を漕ぐことで、運動能力の評価する検査で、この検査の結果を受け40ワットの負荷の許可が出た。
「自転車を漕いで、これ以上は無理という数値を出すんですよ。もちろん、先生たちが見ているし、肺と心臓の状態が分かるオシロスコープがあるので安全性は確保されているんだけど、でもすごく苦しい。今まで経験したことがないほどきついことをやったという感じでした」
■28日目
CPXのエルゴメーターでの運動が、40ワットの負荷で15分間漕げるまでに体力的には回復。
■38日目
CPXの運動強度的には高い数値が出せるようになるものの、測定結果で不整脈が表れるなど心臓の状態はなかなか改善されない。そこで濱田医師は、一年前に承認された新薬の投与などを試みた。