<INTLOOPグループ レディースカップ 最終日◇17日◇平川カントリークラブ(千葉県)◇6404ヤード・パー72>
2月15日に22歳の誕生日を迎えた西澤歩未がプロになってから初の優勝争いを経験。2日間競技でトータル5アンダー・2位タイで惜しくも優勝に手が届かなかった。しかし「プロ2戦目で本当にすごくいい緊張感のなかプレーができて、今後にすごい生かせそうな一日でした」と手応えを感じている。
自身が首位に立っていることに気づいたのは後半の15番で「ティーショット前に順位確認して」と、そのとき2位タイにいた平塚新夢、寺岡沙弥香と1打差のトータル7アンダーだった。そこからパーを並べて迎えた17番で「グリーンを狙うときに普段は振れていたところが、少しフェースに合わせにいくような感じになってしまって…」と緊張からスイングに影響がでてしまった。
すると、乗らず寄らずのボギー。最終18番もミスをしてしまい上がり2ホールで2打スコアを崩してしまった。今大会はINTLOOP株式会社が主催する2日間のツアー外競技で、若手プロゴルファーの成長支援を目的に昨年から開催された。貴重なシーズン開幕前の試合で「緊張したときにこういうミスが出ることを初めて知りました」とこれまでに経験しなかった場面で、新たな自分を知ることができた。
「高校1年生のときに関東高等学校ゴルフ選手権が優勝だったんですが、そのときは、自分がどの位置にいるかあまりわからなかったので、ラウンドを終えてから優勝争いしていることを知った感じなので」と学生時代の試合はコース内にリーダーボードもなければ、携帯で確認することができない。自分の順位を知りながら戦うなかで得た精神面は、シーズン開幕を前に大きな収穫となった。
昨年の国内QTは91位で終え、国内女子下部のステップ・アップ・ツアーが主戦場となる。自身の今季初戦は中国で行われる同ツアー特別競技「三菱電機オートメーション女子オープン」(3月20~22日)となっている。今シーズンの目標は、「来年、前半戦から出られたらそれが1番最高な結果」と賞金ランキングで2位までに与えられるレギュラーツアーの前半戦出場権の獲得だ。
そのために、このオフは仲の良く憧れの1つ先輩である永嶋花音とタイで1月序盤から2月序盤までの間、合宿に取り組んだ。「体力づくりという面で、まだ全然シーズンを通して戦える体ではなかったので、トレーニングが多めでした。芝から毎日ラウンドができる環境だったので、アプローチとパターの練習もたくさんしました」とゴルフ漬けの約1カ月間を過ごした。
「一番つらかったですね…」と振り返ったのは、合宿期間中の食事制限と一日のトレーニング量だった。脂肪が多いと筋肉にかかる負担が大きくなってしまい、運動のエネルギー効率が悪くなり、疲労を感じやすくなりやすい。「疲れにくい体にして、シーズン通して戦えるように」と基本的な食事はタンパク質と脂質の栄養素を摂取。「タイでお米を食べたのは2回だけ」と“我慢”を徹底した。
さらに筋量アップのために「一日4時間ぐらいのトレーニング」に励んだ。そして「体脂肪が26%ぐらいあったのに、20%になりました」と減量に成功。いまは、この状態から飛距離アップ、安定した成績を残せるためにも筋肉量を増やすことに注力している。とくに「お腹の筋肉が少ないので」とゴルフのスイングで大切な姿勢の維持やバランス力を上げるためにもインナーマッスルを鍛えている。
自身の今季初戦までの約1カ月間は「トレーニングと練習をバランスよくやりたい」と引き続きパフォーマンスアップを目指して励んでいく。オフの成果が発揮されるスタートを切りたい。(文・高木彩音)