<LPGA Qシリーズ(最終予選) 最終日◇10日◇マグノリア・グローブGC(米アラバマ州)◇クロッシングズC=6664ヤード・パー72>
2018年、19年に続き、3度目の最終予選会出場となった山口すず夏は、トータル2オーバー・61位タイで90ホールの長丁場を終えた。25位タイまでに与えられる米国女子ツアーの来季出場権は獲得できなかったが、第4ラウンドを回り切ったことで下部のエプソン・ツアーの出場資格(カテゴリーC)を得た。
ボーダーラインに4打のビハインドで最終ラウンドに入ると、5日目は悪天候により順延に。再開直後の16番パー5ではバーディを奪ったが、2バーディ・4ボギーの「74」と落とし、逆転はならなかった。「4~5メートル以内のパットが全然決められなかった。得意なパターでスコアを作れなかったことが悔しい」と振り返った。
2021年末に米ツアーカードを失った。24歳になった今年は春先にオーストラリアツアーの数試合に出場。夏以降は日米のテストに専念し、10月に米2次予選会を突破、11月にプロテスト合格と歩みを進めてこの最終予選会にたどり着いた。
「25位以内を目指してやっていた。結果がすべてなので悔しい。久しぶりにこういう緊張感のある長い試合で、自分の良かった部分と悪かった部分がはっきりした。次への課題が見つかった。久しぶりに会えた友達もいたので楽しかったし、『LPGAツアーに戻りたい』っていう思いがより強くなった」
日本のQTは1次で敗退。“ルーキー”のため下部のステップ・アップ・ツアーの出場権は保障されているが、レギュラーツアーに出場するためには主催者推薦選考会を通過するか、推薦(最大8試合)を得る必要がある。日米ともにツアープロとしてプレーする選択肢があるなか来季の主戦場については、「なんとも言えないところだけど、こっち(米国)で活躍したいっていう気持ちが強いのは間違いない」と、過去に1度だけ出場経験のあるエプソン・ツアー参戦に前向きな姿勢を示す。
この先がまだ不透明でもやらなければならないことがある。「年間を通して試合に出ることができていなかったので、今回もちょっと準備不足だったところもあった。1年間上位で戦い続ける気持ち、精神力、体力をつけないといけないと改めて実感した。トレーニングもショットの精度も上げていかないといけない」。この冬に心技体を整え、主戦場を選んでいくことになる。(文・笠井あかり)