<LPGA Qシリーズ(最終予選) 事前情報◇3日◇マグノリア・グローブGC(米アラバマ州)◇クロッシングズC=6664ヤード・パー72、フォールズC=6643ヤード・パー71>
米国女子ツアー来季出場権を懸けた予選会(Qシリーズ)は、2018年から現行のスタイルが採用されている。今年は日本勢7人が最終に挑戦するが、国内ツアーを主戦場にする山下美夢有らは初挑戦で、米ツアー組の吉田優利と馬場咲希は2回目。その中で、24歳の山口すず夏は「19年以来、3回目です。一番多いですね(笑)」と明るく笑った。
当時高校生だった18年に最終予選会で36位に入り、米ツアーの出場権を獲得。“現役高校生プロ”として話題を集めた。ルーキーイヤーには19試合に出場したものの、ポイントランキングは147位に終わり、年末には2度目の最終予選会へ挑戦。それも16位で突破している。
ただ、同時期に受験していたJLPGAプロテストは不合格が続いていた。「振り返ってみると本当に苦労しました。この2~3年はずーっとショットが悪かったし、思うようなゴルフができずにいた」。今年10月の米2次予選会を通過し、11月にはプロテストに合格。「今年はセカンド(米2次予選会)もテストも通過できた。プレッシャーの中でも自分の思い通りの球が打てるようになってきたのが、大きな変化です」と成長を実感している。
先週行われた国内ツアーのファーストQTではパッティングに苦しみ、3打及ばず敗退した。ただし、ルーキーは下部ステップ・アップ・ツアーの出場が保障されているため、ひとまず“職場”はある状態だ。レギュラーツアーは主催者推薦で最大8試合に出場可能で、米ツアーでは最終予選進出者として、下部エプソン・ツアーの出場権も手中にしている。結果次第では米下部ツアーを視野に入れており、「ずっと米国でプレーしたいと思っている。まずは25位以内を目指します」と力強く語る。
28日に渡米後、すでに2ラウンドを行ったというが、実は10月の米2次予選前に現地でコースチェックを済ませている。「コースはアップダウンが意外とある。日本に比べたらだいぶ広くて、OBもない。グリーンの傾斜が強いので、パター勝負かなと。距離感が大事になってくる」と、コースの特性を冷静に分析。最近パッティングの調子が上向いていることが好材料だ。
かつて戦った舞台に戻ることができるか。ツアーカード獲得まで、あともう一歩だ。(文・笠井あかり)