<JLPGA新人戦 加賀電子カップ 最終日◇6日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6589ヤード・パー72>
「プロ初戦を優勝で終えることができて素直にうれしいです」。プロテストに合格した選手たちが一生で一度のタイトルをかけて戦う恒例の新人戦。97期生NO.1の称号は荒木優奈が手にした。
初日から「68」をマークして首位タイ発進を決めると、2日目には「65」を叩き出し単独首位に浮上。最終日は最大瞬間風速11.1m/sを記録する難しいコンディションとなったが、6バーディ・5ボギーとスコアを伸ばし、危なげなく完全優勝を果たした。
「初日からの2日間、ショットで流れを作って、(2日目を終えて)3打差をつけられたことが大きかった」と、2日目までに蓄えた“貯金”がプレーに余裕をもたらしたと分析。「きょうは出だしでボギーでしたが、全然焦らずにプレーができました」と振り返る。
前半はスコアを1つ落としたものの、その“余裕”が後半に生きた。「途中からショットが良くなってきたので、あとはパターが入れば伸ばせる自信があった」と10番でバーディを奪うと、13番からの3連続バーディを勝利を引き寄せた。
2度目の挑戦となった今年のプロテストは4位タイで合格。「ファイナルQT」では37位に入り、来季前半戦で多くの試合に出場できる位置を確保した。「推薦でツアーにたくさん出させてもらって、優勝争いもしたり、そういう経験がやっぱり大きい」。今季はレギュラーツアーの「資生堂レディス」で10位、「大東建託・いい部屋ネットレディス」で9位とトップ10入りしたことで自信を深め、プロテスト合格や来季の出場権獲得へつなげた。
“初任給”となる優勝賞金270万円をゲット。使い道については「考えます(笑)」と冗談めかしつつ、「初賞金ですし、最初って大事じゃないですか。勢いをつけるためにも楽しもうと思っていましたが、やっぱり勝ちたいという思いはありました」。一生に一度しかない大会ということで、和気あいあいとした雰囲気の中でも、プロとして結果を残せたことを喜ぶ。
「メルセデスランキングで1位になること」。今後は年間女王を目標に、レギュラーツアーで本格的に戦うことになる。さらに、「アメリカツアーにも行ってみたい気持ちがあります。挑戦できるように頑張りたい」。19歳は世界を舞台にした活躍を夢見ている。(文・齊藤啓介)