<JLPGAファイナルQT 3日目◇28日◇葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コース(静岡県)◇6454ヤード・パー72>
来季出場権獲得への道を、自身の“うっかり”で厳しいものにしてしまった泉田琴菜。しかし、風速6.3メートル/秒という葛城特有の強風が吹くなかで行われた3日目を「71」とアンダーパーでまとめた。前日の46位からトータル1オーバー・17位タイまで浮上。一気に“圏内”に突入した。
そのうっかりとは、2週前の「大王製紙エリエールレディス」での出場登録ミス。「何も記憶がないくらい…。(エントリーしていないことを)忘れていました」。選手の正式エントリーは、大会開幕前日の午後5時までに自分で行う必要があるが、この手続きを忘れてしまった。「(協会から締め切り後に電話で)連絡がくるまで自分がエントリーしていないことすら気づかなかった」。月曜日から会場に入り調整を進めていたなかで“通達”された、手痛いミスだった。
エリエールはシード争いが決着する重要な大会でもある。泉田の同大会前のメルセデス・ランキング(以下MR)は77位。MR70位以内の選手はQTファーストステージが免除されるのだが、その時点で70位との差は『22.8pt』。逆転には最低でも単独24位以上が必要だったため気持ちも高めていたのだが、その挑戦権すら失う結果となった。
ただ、そこからは「もう忘れました。出られないことは仕方ないし、順位も順位だったので、あとは自分次第」と気持ちを切り替えて、QTに集中。最終的にはMR78位に終わったため、先週19日から行われたファーストステージのB地区(静岡・裾野CC)に参加した。ここを4位で通過。そしてファイナルも来季前半戦フル出場権確保のラインとなる35位を上回った状態で、最終日に向かうことができる。
「ショットがつかないなか、グリーンを外しても渋い(距離のパット)のを1パットで入れたり、耐えられて良かった」。風に立ち向かいながらのゴルフだったが、終盤の7番までボギーフリーでプレーした。「コース自体も難しいけど耐えて耐えて、堅実なゴルフをしないと。開幕戦から(レギュラーツアーに)出たい気持ちはあります」。自らが招いたミスを帳消しにするプレーで、出場権を死守したい。(文・間宮輝憲)