<LPGA Qシリーズ 事前情報◇3日◇マグノリア・グローブGC(米アラバマ州)◇クロッシングズC=6664ヤード・パー72、フォールズC=6643ヤード・パー71>
今季それぞれ国内3勝を挙げた明愛、千怜の岩井ツインズが米国女子ツアーの来季出場権をかけた予選会に出場する。30日に現地に到着し、翌日は休養日として車を走らせNFLを観戦。2日から練習を開始し、クロッシングズCとフォールズCの2コースを1ラウンドずつ確認した。
「グリーンの印象が違う。距離が長く感じた」(明愛)、「雰囲気は似ているけれど、フォールズのほうがアンジュレーションが大きいと私も感じました」(千怜)と、コースの特徴を語るふたり。全体的な印象は“クロッシングズで伸ばして、フォールズで耐える”というもの。25位以内というボーダーラインや順位を意識することなく、「自分のゴルフに集中したい。順位が良ければラッキーだし、できることはすべてやる」と90ホールを見据える。
2021年6月の最終プロテストでともに一発合格を果たし、プロへの道を歩み始めたふたり。ただ、同年末のファイナルQTでは明愛が70位、千怜が90位に終わり、レギュラーツアーへの出場権は得られなかった。当時について明愛は「QTのときは気持ちの準備ができていなかったと思う。その大切さは感じますね」と振り返る。“失敗”から学び、ふたりは確実に成長を遂げてきた。
その後、明愛は6勝、千怜は7勝を飾り、世界ランキング上位者の資格でこの最終予選に乗り込んだ。「(QTは)そのときの調子もあるので。でも気持ちだけは明るく強く持って、あとはなるようになれ!という感じ」(千怜)と、前向きな姿勢で全力を尽くす。
姉妹として歩幅を合わせて歩んできたプロ生活。しかし今回ばかりは、「ふたりの結果が異なる可能性」も頭をよぎる。
「(その結末も)考えますね。(千怜に)自分の好きなように進んでほしいという気持ちもある。もちろん一緒に行きたいけれど、気にせずに自分のペースでやっていってほしい」(明愛)
「わたしも考えたことはあります。でもお互い、追い越したいという気持ちも追いつきたいという気持ちもある。どちらかが遅れても絶対に追いつく、という気持ちで頑張れるし、糧にもなる。2人で行きたいのはもちろんですけど、そうなっても…。お互い、ね」(千怜)
ゴルフ界最強の双子として、数々の歴史を刻んできた岩井ツインズ。互いを思いやる心を持ちながら、それぞれの挑戦に集中している。最後は、ふたりそろってツアーカードを掲げる結末を期待したい。(文・笠井あかり)