<アジア太平洋アマチュアゴルフ選手権 事前情報◇2日◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)◇7217ヤード・パー70>
アジア太平洋地域NO.1アマチュアを決める一戦「アジア太平洋アマチュアゴルフ選手権」が、3日(木)に開幕を迎える。2009年に第1回大会が開かれ、霞が関CCで開かれた10年以来、14年ぶり2度目の日本開催で、静岡県の太平洋クラブ御殿場コースが舞台になる。
年3大会開催の難しさ 太平洋C御殿場Cのグリーンキーパ―が明かす「アジアアマ」舞台裏
「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」、「アジア太平洋アマチュアゴルフ選手権」、そして「三井住友VISA太平洋マスターズ」と立て続けに試合が行われる太平洋C御殿場C。その舞台裏をちょこっとお伝えします。
配信日時:2024年10月2日 07時55分
<アジア太平洋アマチュアゴルフ選手権 事前情報◇2日◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)◇7217ヤード・パー70>
アジア太平洋地域NO.1アマチュアを決める一戦「アジア太平洋アマチュアゴルフ選手権」が、3日(木)に開幕を迎える。2009年に第1回大会が開かれ、霞が関CCで開かれた10年以来、14年ぶり2度目の日本開催で、静岡県の太平洋クラブ御殿場コースが舞台になる。
大会優勝者は来年の「マスターズ」、「全英オープン」の出場権も与えられるとあって、アマチュア選手にとっては、まさに世界への登竜門。過去には松山英樹(10、11年)、金谷拓実、そして中島啓太(21年)が、ここからメジャーへの道を切り開いた。
アマチュアにとって、大一番の大会になるが、開催コースの太平洋C御殿場Cにとっても大一番。当コースは、4月には、日欧共催大会の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」、10月の今大会、そして11月にはおなじみ国内男子ツアーの「三井住友VISA太平洋マスターズ」と立て続けに試合が行われる。
高いレベルでコースコンディションを維持することはもちろん大変なこと。太平洋クラブの執行役員でグリーンキーパーも務める、阿佐比一(あさひ・はじめ)氏が、コース管理の難しさを教えてくれた。
まず、阿佐比氏が第一に考えていることは「メンバーの方、お客様に迷惑をかけることは絶対にしてはならない」。いくら大きな大会が行われるとはいえ、ほとんどが通常営業でプレーに来るメンバーやビジターに支えられている。大会に合わせて、コンディションを整えていく中で、そこが常に気がかりな部分であると話す。
さらにこんなエピソードもあったという。「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」では大会側から「グリーンスピードを12フィート程度に」というリクエストがあったものの「春先は暖かかったので、10フィートくらいしか出なかったので苦労しました。最終日にようやく12フィートに届きました」。聞いているだけでコース管理の方には頭が下がる思いだ。ちなみに、今大会に関してはアマチュアということも考慮し、「10.5~11フィート」と極端に難しいセッティングにはなっていない。
そして、今大会の開催が決まると「マスターズ」、「全英女子オープン」から招待を受けた阿佐比氏は大会期間中に実際にコース管理を行うという経験もした。オーガスタ・ナショナルGCは「真似しようと思ってもできるようなレベルではない」とコース管理の規模感に圧倒されたという。「彼らは世界一であり、世界一であり続けないといけないというプライドを持って仕事をしている。我々も日本でナンバーワンであり続けたいという思いを出さないといけない。その精神的な部分は見習わないといけない」。さらに、セント・アンドリュース オールドCは「地形のまま、伝統のまま、あまり動かさないでやっていこう」。表情が全く異なる2コースではあるが、「伝統を守り続けることは、一緒なのかなと思います」と学ぶことが多かった。
ゴルファーであれば誰もが知る、コースで貴重な経験をしたことで、「18ホールのスピードをそろえるという意識が高くなりました」と話す。両コースにいえることは「18ホールの1つ1つのスピードをきっちり合わせようとしていた」ということ。コースは違えど、全グリーンを“均一”にそろえる努力は共通。その技術を持ち帰り御殿場Cもそのレベルに到達すること、それが管理者の目指すところだと話す。
そして120名のトップアマチュアが一堂に会する今大会だが、コース管理者の目線から「相当な実力者なので、太平洋マスターズ時よりいいスコアが出るのではないかと思っています」と見ている。
世界へ羽ばたく第一歩としての登竜門ともなる今大会。「選手がここからスタートして、彼らの歴史の1ページに御殿場が一緒に刻まれるというところを楽しみにしています」。アジア太平洋NO.1アマチュアを決める一戦には、裏方で戦う人たちによって支えらている、もう一つのストーリーがあった。(文・齊藤啓介)
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