<INTLOOPグループ レディースカップ 最終日◇17日◇平川カントリークラブ(千葉県)◇6404ヤード・パー72>
国内女子ツアーの開幕を2週後に控え、ツアー初優勝を目指す2年目の菅楓華が“ひと回り”大きくなった姿を見せた。若手女子プロゴルファーの成長支援を目的とした2日間のツアー外競技「INTLOOPグループレディースカップ」に出場。トータル3アンダー・10位タイに終わったが、オフの取り組みを試せたことに納得の表情を浮かべた。
首位と3打差の5位タイから出た菅は、前半8ホールで3つのバーディを奪って首位の背中を追いかけた。しかし、9番(パー4)でボギーを叩くと「流れが変わってしまった」と後半に2つ落として“プロ初優勝”はお預けとなった。
日章高校3年生だった2023年のプロテストに一発合格。ルーキーイヤーの昨年はデビュー戦の「Vポイント×ENEOS」で7位タイに入るなど、22試合に出場してトップ10入り4回を記録し、優勝争いも経験した。昨年末のファイナルQTでは20位で前半戦の出場権を獲得。今季は初シード、さらに初優勝が期待されている。
身長167センチ。昨年まではスレンダーな印象があったが、「体重は5キロ増えました」と、オフを経てひと回り体が大きくなった。特に下半身に厚みが増し、アスリートらしい体つきになった印象だ。
体重の増量はプロ1年目で得た課題の克服につながる。ルーキーイヤーを経験し、「最終日につれてしっかりスコアを伸ばすために、体力強化をしたい」とオフに入った。1月はトレーニング中心の生活を送り、短中距離の走り込みやウェイトトレーニングなど、下半身を重点的に強化。ほぼ予定通りの増量に成功し、昨年と同サイズのウェアは「ピチピチになっています」とリサイズが必要なほどだ。
「昨年は最終日にミスショットをすることがあったので、4日間戦える体力とスイングの安定が目的です。また(傾斜地など)ライが悪いところからミスをすることがあったので、そういう状況でも安定させたくて。あとはこの体重を維持するトレーニングもしたい」と話す。その副産物として「飛距離も少し伸びて、ボールも強くなりました。痩せたくないですね」とゴルフ全体がスケールアップしている。
ただ、飛距離が伸びたことで、精度が求められるアイアンショットには感覚のズレが生じる。「アイアンも(飛距離が)伸びていたので、今回実戦の場で試したかったんです。キャリーで3~5ヤードほど飛んでいる感覚でした。その中でアンダーで回れたのはホッとしています」。開幕前に実戦で確認できたのは大きな収穫だ。
技術面では、日によってトップの位置がズレるクセを修正するよう努めてきた。「オフに取り組んできましたが、まだ30パーセントぐらいの出来」と調整にはもう少し時間がかかりそうだが、充実したオフを過ごせている様子だ。
「前半戦の出場権しかないので、まずは目の前のことに集中する。(目標は)シードを取ることなので、しっかりそこを狙ってがんばりたいです」。もちろん、その先の初優勝もしっかりと見据えている。