独自の道を切り開き、プロゴルフの世界で戦っているひとりの選手がいる。26歳の女子プロゴルファー・識西諭里（おにし・ゆり）がその人だ。日本でのツアー生活を目指すも、これまでに7度挑戦したプロテストで合格をつかみ取れず、今年は米国、欧州と世界各国を股にかけて転戦を続けている。“未知の世界”に飛び込んで奮闘する姿を追う。フランスで行われた大会を3日間戦い、今週は香港で個人戦に加えチーム戦も行われる「アラムコ・チーム・シリーズ」に出場する。自身初のアジア戦は、楽しいことがたくさんあるようで。

◇

みなさん、こんにちは！ 今週は月曜日の朝に香港に到着したのですが…アジアはテンションがアップしますね～！ ご飯も美味しいし、ホテルもキレイ。欧州の朝食といえば、パンと卵焼きとヨーグルトが一生続く感じなんですが、香港は焼きそば、出汁が効いたラーメン、キムチ、納豆、中華料理などなど、とにかくバリエーションが豊富なんです。幸せです（笑）

到着した日には『100万ドルの夜景』も楽しんできました！ 今週はコーチ（井上透氏）が帯同してくれるので、一緒に景色を望める山頂まで登って見たのですが、すごかった～。山は、途中までバスに乗って、そこから山頂まで20分くらい歩きます。バスを降りたところはショッピングモールや近代的なビルがあるのですが、頂上は『え？ ここ？』っていうくらい明かりもお店も何もなかったことには驚きました。でも、だからこそ夜景が映えるんですかね？

日本のお店も多く、吉野家もありましたよ～。牛丼の味はそのまま。2人で2000円くらいする“海外料金”なんですが、それは…仕方ない！（笑）。とにかく香港って、すごくいいところです。そして、1カ月前には“どん底”だったショットの状態も徐々に上向いてきて、それも気分を軽くしてくれています。

前回コーチが帯同してくれた試合（9月のオランダ）は不調のピークだったので、今回はようやく細かい部分をチェックしてもらったり、練習ラウンドでもマネジメントの話ができました。あの時期は、それ以前の問題だったので…。ただ『前回、あそこまで悪かったのは、いい経験になる。練習もしっかりできたし』とコーチからも言われましたし、苦い経験だからこそしっかりと今後に生かしていきます。

先週は予選通過はしましたが、パターで苦戦する3日間でした。ただ『かみ合えばいいスコアが出るんじゃないかな』とも思うこともできています。今週は大きかったり、小さかったり、傾斜があったり、なかったり、同じコースでもいろいろなグリーンがあり、さらに外す場所を間違えると簡単にボギーが来るセッティング。ショットが試されるので、より今の状態が測れそうです。

今週の香港の試合が終わると、すぐに日本に戻って10日からプロテストも始まります（三重・ジャパンクラシックCCクイーンC）。さらに19日からはインドで試合と、ここから“アジアシリーズ”といったようなスケジュールになります。しっかり美味しいものを食べて、街の雰囲気も力に頑張ってきます！

■識西諭里（おにし・ゆり）

1997年4月16日、福岡県出身、26歳。福岡第一高卒。9歳でゴルフを始め、2015年の福岡県民アマチュアゴルフ選手権優勝などの実績を残す。昨年は予選会を突破し6月の「全米女子オープン」に出場。米国、欧州ツアーの予選会にも挑戦し、現在は欧州を主戦場にしている。身長166センチ。株式会社梅の花所属。