11月29日まで実施された日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のQTファイナルステージには、104人(棄権1人)が参加。4日間の結果に応じ、それぞれ選手には1~104位までのQTランクが付与された。これがそのまま、来年のレギュラーツアー前半戦の優先出場順位になるのだが、フル出場できるかできないかの“ボーダーライン”は、現地時間5日(木)から米アラバマ州で行われる米国女子ツアー最終予選会の結果も大きく影響しそうだ。
簡単にQTランクの説明をしよう。まずJLPGAのトーナメントは、大会ごとに出場人数が定められている。そこに確実に出られるのは、出場権が約束されている選手(シード、永久、準シード選手ら)たち。これに加えて、主催者推薦の選手にも枠が割り振られ、残った枠にQTランク上位者から順に出場権がおりてくる、という仕組み。もし残りの枠が『30』だとすると、欠場などを考えなければ単純にQTランク30位までの選手しか出られない。
ここでJLPGAが出した今年のデータを見ると、前半戦でQTからの本戦出場者が最も少なかったのが開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」と、第11戦「RKB×三井松島レディス」、そして第16戦「ニチレイレディス」で、最終的にQTランク37位までの選手が出場した。続いて第4戦の「アクサレディス」で、QT38位まで。これを踏まえると、前半戦フル出場ラインは、“QT37位以内”がひとつの目安になるともいえる。
ただ、ここで重要になってくるのが、前述した米国女子ツアー予選会の結果だ。今回そこに出場する日本勢のうち、原英莉花、山下美夢有、明愛・千怜の岩井姉妹は来季の国内シード権を獲得した選手たち。もし全員が通過し、来季、米国を主戦場にすれば国内ツアーの出場枠が『4つ』空くことになる。
すでに今年の年間女王に輝いた竹田麗央は「TOTOジャパンクラシック」優勝で得た権利で、来年は米国ツアーを主戦場にすることを明言。米ツアーを主戦場としている古江彩佳と西郷真央も日本のシード権を確保し、今季限りでツアー休止を発表した上田桃子もメルセデス・ランキング50位でシード入りしたため、現時点で『4枠』は最低でも空くことになる。ここに予選会メンバーの結果を合わせると、最大で『8枠』が空くことになる。ちなみに米国最終予選会は、上位25位タイまでの選手が来季のLPGAツアーメンバーカードを手にする。そして、ここに入れなくても下部のエプソン・ツアーに出場することは可能だ。
つまり上記した部分を、単純に昨年のケースに当てはめると、最大でQTランク45位までの選手が来季前半戦にフル出場できる可能性が浮上する。もちろん、まだ米予選会については“たら・れば”になるうえ、国内女子ツアーの2025年は日程含め詳細も発表されておらず、不透明な部分も多い。
ただ、QTボーダーライン付近の選手たちにとって、米ツアー予選会の結果が出場権に影響を与えるのは確実だ。QTランクの観点から、海の向こうで繰り広げられる戦いに注目してみてはいかがだろうか。
【来年のQTランクで“ボーダー付近”が見込まれる選手たち】
35位:奥山友梨
36位:吉田鈴
37位:荒木優奈
38位:石川明日香
39位:濱田茉優
40位:山路晶
41位:篠原まりあ
42位:手束雅
43位:池ヶ谷瑠菜
44位:種子田香夏
45位:上野菜々子