あす13日(金)に、TGX GOLFが主催するバーチャルゴルフイベント『TGX バトルズ2 powered by FULL SWING , supported by チューリッヒ保険会社』(千代田区・丸ビルホール)が開催される。
この“対決シリーズ”は今回が2度目。第1回は、同社の株主兼戦略的アンバサダーを務める松山英樹とアダム・スコット(米国)が対決。そして今回は賞金200万円をかけ、およそ300名の観客の前で渋野日向子と原英莉花が争う。
『TGX』とは“ハイブリッドeスポーツ”というeスポーツの新しいカテゴリーである。現実世界と仮想空間を足して作ったもので、屋外ではなく室内で本格的にゴルフプレーが行える空間となっている。eスポーツはエレクトロニック・スポーツの略で、主にコンピューターゲームやビデオゲームを使った対戦をスポーツとして捉えているもの。同社はこの競技を世界に広めていくために、まずは日本を足掛かりに普及に励んでいる。
対戦にも使われる『FULL SWING』は、米国男子ツアー通算82勝を誇るタイガー・ウッズや、米ツアー通算13勝のジョーダン・スピース(ともに米国)、渋野らも愛用する最新のゴルフシミュレーター。これまでのシミュレーターゴルフは、ショットを打った後の“時差”などが課題にあり、またデータもボールのスピン量や初速数値のみの反映が主になっていた。
しかし、FULL SWINGは赤外線とLEDカメラ、ハイスピードカメラの3つのテクノロジーを統合した唯一の機械で、ショット後は実際のプレーと画面の連動がタイムラグなく反映され、正確なボール弾道とリアルな飛球を実現している。さらに、ボールの数値に加えてインパクト時のフェースアングルや入射角(アタックアングル)などの数値も出てくるなど、より細かい分析もできる。
同社担当者は、今回のイベントを実現するにあたり、その思いを明かす。娯楽としての側面が強いゴルフも、競技となると中級者から上級者が出場するイメージが強い。しかし、シミュレーターゴルフは、そんな概念も変えうる存在だ。「いままでハードルと感じていたものが、だいぶ下がると思います。ゴルフをやったことがない人は、見ていて『やってみたい』と思うはずです」。レベルを問わず、“競技性”を楽しめる空間づくりが考えられている。
根底にあるのは、“ゴルフ界を盛り上げたい”という思い。「ゴルフを見る機会を、より多く作っていきたい」。わざわざコースまで足を運ばなくても、都内のインドアゴルフスタジオでプロのプレーを観戦できる環境づくりも目的の一つになっている。これまでとは雰囲気が大きく異なる『TGX バトルズ』を通じて、ゴルフ界のさらなら発展を願っている。
第1回大会が行われた都内の青山パークナインでは、ソフトドリンクやアルコールなどの飲み物が販売されていたり、食べ物の持ち込みなどもできる。プレーヤーだけではなく、観戦者も楽しめるように椅子とテーブルも準備されており、忘年会や新年会などパーティ感覚で過ごすことも可能。“屋外スポーツ”の代表格ともいえるゴルフだが、これからの時代はインドアスポーツとしてもさらなる盛り上がりをみせてくれそうだ。(文・高木彩音)