独自の道を切り開き、プロゴルフの世界で戦っているひとりの選手がいる。26歳の女子プロゴルファー・識西諭里(おにし・ゆり)がその人だ。日本でのツアー生活を目指すも、今年8度目となったプロテストでも合格をつかみ取れず、現在は欧州ツアーをメインに世界各国を股にかけての転戦生活を送っている。“未知の世界”に飛び込んで奮闘する姿を追う。先週から地元・福岡県に滞在。生まれ育った地で、11月16日に開幕する“大一番”への準備を進めていく。
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みなさん、こんにちは! 前回のこの連載では、滞在していたインドの“すごさ”について少しお話させてもらいましたが、試合で回ってみて、やっぱりすごいコースだな~と思いました。予選を通過できたのは良かったのですが、なんで通れたのか分からないくらい(笑)。練習日には、クセたっぷりのインコースだけで4オーバーを叩いたり、本戦でも、特に最終日に粘りきれず(スコアは「82」、58位タイ)、ボロボロになって帰国した、というのが印象です。
傾斜もきついコースで、少しでもインパクトポイントがズレたら『さようなら~』という感じ。そして、その傾斜は、これからの大きな課題のひとつになることも改めて実感しました。特につま先下がりで苦戦しているのが現状です。以前は同じような状況でも『こういう球を打つために、こうクラブを入れよう』と考えながらマネジメントができていました。でも、ショットの状態があまり良くない今は、“左はダメ”と思って打ったショットが左に出たり、“右はダメ”が右に出たり…。それで反対のことをやろうとすると、池に一直線とか、とにかくイメージと実際の出球の差が大きく苦戦中です。
そこで次の試合まで日本で過ごす間に、しっかり休みつつも傾斜面でのショットやスイングを調整していくつもりです。次戦の「マヨルカ女子オープン」(11月16~18日、スペイン)は、私にとって現時点で出場が確定している今季最後の試合。この結果、来年のシード権を獲得することができれば、翌週行われる欧州ツアーのシーズン最終戦にも出られる、という仕組みになっています。
シードはポイントランキング70位以内(識西は現在81位)なので、まずはそこに滑り込めるよう精一杯準備を進めていきます。もしダメなら『QTを受けるのか』など、今後について頭を痛めることになりそうですが、それはその時に考えればいいこと。まずは目の前の試合でしっかりプレーするためにも、この日本での時間を充実させたいと思っています!
ちなみに…インドから帰国する際、時間もなかったので空港までウーバー(タクシー配車サービス)のプレミアムを頼んだら、全然“プレミアムじゃない車”がやって来ました(笑)。トランクも開かないし、とにかくボロボロで…。ホテルで食べたインドカレーはとても美味しかったのですが、最後まで(予想通り)ビックリてんこ盛りの1週間になりました(笑)。
■識西諭里(おにし・ゆり)
1997年4月16日、福岡県出身、26歳。福岡第一高卒。9歳でゴルフを始め、2015年の福岡県民アマチュアゴルフ選手権優勝などの実績を残す。昨年は予選会を突破し6月の「全米女子オープン」に出場。米国、欧州ツアーの予選会にも挑戦し、現在は欧州を主戦場にしている。身長166センチ。株式会社梅の花所属。