きょう23日から、欧州女子ツアーの「ジャブラ女子オープン」が、フランスのエビアン・リゾートGCで行われる。ここには3人の日本選手が出場する。1人目が長年米国ツアーを主戦場にしてきた上原彩子で、2人目が昨季、欧州ツアーでフルシーズン戦った識西諭里。そして3人目が今季から欧州を舞台に戦う25歳の澤田知佳だ。
「日本とヨーロッパの違いは…やっぱり移動が大変だなって一番に思いました」。異国で転戦生活で、澤田が面食らったのはやはりこの点だ。いくつもの国を渡り歩く生活とあって、会場から会場に移るだけでも、日本とは比べものにならないほどのタフさが求められる。
1998年8月29日生まれの“黄金世代”のひとりは、2017年から7度、日本のプロテストを受け続けている。過去には4度最終テストまで進んでいるが、あと一歩のところで合格を逃してきた。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のツアーに出るには、原則、この“合格率約3%”のテストを突破し正会員になる必要がある。そして、昨年のテストも2次で涙を飲んだ澤田が今年選んだのが欧州ツアー挑戦だった。
昨年末のファイナルQTで45位になり、ツアーメンバー入り。限定的ながら出場権を得ると、今季10試合目として韓国で行われた、5月の「アラムコチームシリーズ」で初戦を迎えた。チーム戦も行われるこの試合は個人として予選落ちという結果に終わったが、ドイツに渡って迎えた、続く「アムンディ・ドイツマスターズ」で初の予選通過。19位という結果を残した。
そして今週はフランスで3試合目に臨む。冒頭に苦労として話した移動も、基本的には誰の手も借りずひとりで行っている。「周りのシード選手達は毎回違う国に行って試合をしてまた移動して…本当に体力がいるなぁって改めて思いました」。これが1年間続いていく。
若いうちの苦労は買ってでもしろ、というが、それでも大変さを味わってもやはり“プロ”として戦う今は充実している。まず、この長いシーズンで目指すのは、ポイントランキング70位までの選手に与えられる欧州ツアーシードの肩書だ。
「海外の選手はプレーしている時も選手同士の高め合いを強く感じます。プレーヤー同士尊重しあっていて、そこはすごくいいなぁと感じました」。未知の環境のなか、その仲間入りを果たそうとしているひとりの選手に注目したい。