<全米オープン最終予選(日本会場)◇20日◇日野ゴルフ倶楽部キングコース(滋賀県)◇6910ヤード・パー70>
満面の笑みで海外メジャー「全米オープン」の出場権を獲得したことをあらわすチケットを上げる清水大成。専属のキャディとトレーナーと喜びを分かち合い抱きしめ合う。涙の“全米切符”獲得となった。
清水は2022年に予選会に初挑戦し、翌23年と2回連続でプレーオフに敗れ補欠組となっていた。今回もトータル8アンダーで後続組の結果待ち、3人目を決めるためのプレーオフ戦に突入した。「正直、今年もプレーオフかって…」。スタート前に悪い記憶がよみがえりもした。
5人でスタートし、まず1ホール目にスコット・ビンセント(ジンバブエ)がボギーで脱落。2ホール目は清水が「ワンピンぐらい」のチャンスにつけてバーディを奪った。「うれしいですね」。終わったばかりの状況では、こう喜びを表現するのが精いっぱいだ。「先週の優勝争いがいい経験になったかもしれないです」。日曜日まで行われていた国内男子ツアーの「関西オープン」(3位)で「緊張感」のなかプレーしたことが、今回最後まで集中力を維持できた要因と話す。
予選を突破したのはトータル9アンダーの石川遼と河本力、そしてプレーオフを勝ち抜いた清水の3人。「(本戦の時の)練習ラウンドをさっき申し込んだんですけど、遼さんは本当にすごくいろいろ教えてくれる。お兄ちゃんという感じの存在ですごく頼れます。相当な経験もされていますし」。今年で5回目の出場となる石川に、表彰式のときに早速“予約”を入れた。経験のある先輩とともに初の海外メジャーを迎えられることは心強い。
1学年下の河本とは年齢関係なく仲がいい。「力(リキ)とは同級生みたいな感じで、多分あまり緊張することもなく、一緒に行けると思う。楽しく」。気が許せる仲だからこそ、緊張感のある舞台でリラックスできる存在になりそうだ。
世界中のトップゴルファーが集結するビッグトーナメントで清水は「自分の飛距離が世界ではどの位置なのか」を確認したいと話した。あとは得意のショートゲーム。「日本では得意ですが、海外でどこまで通用するのか」を確かめに挑む。「毎試合、優勝することを目指しているので」。人生初の大きい舞台にもいつも通りの勝気で挑んでいく。清水の世界への挑戦が始まる。(文・高木彩音)