日本ゴルフ協会(JGA)のナショナルチーム慰労会が都内で行われた。男子7人のメンバーのうち、山下勝将(まさゆき、近大4年)と岩井光太(日大2年)は、それぞれプロゴルファーの山下美夢有と岩井明愛・千怜ツインズの弟だ。ふたりは来季から米国女子ツアーに挑戦する姉たちの活躍を、どう見ているのだろうか。
山下はナショナルチームのヘッドコーチであるガレス・ジョーンズ氏のマネジメントに感銘を受けた。カップに対して入る確率の高い、真っすぐで上りのラインである“ゼロライン”につけることの大切さや、「ティショットの置く場所などたくさんありますが、多くの学びがありました」とまさに目から鱗だった。
岩井もジョーンズ氏の教えで“ゴルフ脳”が鍛えられた。「新しい視点が多かった。自分なら刻むところも『ドライバーでいいんじゃない?』とアドバイスをいただいたり、それを試合で生かせたことがよかった」と成長を実感している。
アマチュアの日本代表として国際競技にも出場し世界を舞台に戦った。そんななか、プロゴルファーの姉たちは米国女子ツアーの来季出場権をかけた最終予選会(Qシリーズ)に出場して美夢有がトップ通過。千怜が2位、明愛が5位とその実力を遺憾なく発揮して出場権をつかんだ。
山下は姉の帰国後に1度しか会えておらず会話も少ないが、「おめでとう」と伝えることができた。さらに、予選会への出国前にこんなことがあったことも明かした。国内男子ツアーのサードQTを受けた勝将はトータル10オーバー・81位と思うような結果が残せなかった。そんな姿を見た姉は『私が結果を出して、勝将に火がついてくれたらいいから、頑張ってくる』と家族に話していたという。「結果も優勝(トップ通過)で、本当にいい刺激になりましたし、もっと頑張ろうと思いました」。姉はしっかりと背中を見せ、勝将はその活躍を目に焼き付けた。
岩井も姉ふたりと顔を合わせ、「おめでとうだけ言いました(笑)」と照れ笑いを浮かべた。「自分もそのレベルに早く行けるように努力をしたい」と、先に世界の舞台に向かう姉たちに追いつくべく、山下と同様に火をつけられた。来季には「日本アマ優勝、アジアアマに出場して優勝」という目標を掲げている。
プロの舞台で活躍する姉を見てきたふたり。その姿に刺激を受けながら、次こそは自分の番だと情熱を燃やしていることだろう。(文・齊藤啓介)