<アジア・パシフィック女子アマチュア選手権 初日◇9日◇シンガポール・アイランドCC(シンガポール)◇6343ヤード・パー72>
人生初の海外試合は、不安なスタートだった。昨年の「日本女子アマ」覇者・寺岡沙弥香は、1番のティイングエリアに立ったときにドライバーを振るのがちょっぴり怖かった。「どこに当たるか、どこに飛んでいくかも分からないくらい。気持ちが浮ついていました」。緊張のファーストショットは引っかけて左のラフにつかまった。
それでも、そこからグリーンに乗せてパーとすると、続く2番でもパー。「ヤバいと思うくらいの調子」でティオフを迎えたが、杞憂(きゆう)だった。3番で段違いから下りの18メートルのパットが「たまたま入ってラッキー」とバーディを先行させると、4番パー5では「得意」というバンカーからの3打目を2.5メートルに寄せて連続バーディを奪取。スコアを落とすどころが、伸ばしていった。
9番では果敢にフェアウェイを横切るクリーク越えを狙ったが、池につかまった。それでも、このピンチを絶好調のアイアンでカバーした。「セカンド打つまではボギーでいいかなと思っていたけど、いいとこ寄ったからこれは狙おう」と3メートルを決めてガッツポーズ。前半をボギーフリーの2アンダーで折り返した。
後半15番ではこの日唯一のボギーを叩いたが、4バーディ・1ボギーの「69」でホールアウト。長所と話していたドライバーは終盤まで修正できず乱れたなかで、「17回グリーンに乗った」というアイアンショットでカバーした。日本勢最上位となる3アンダー・5位タイの好発進を決めて「諦めずに、いまできることをやれたのがすごい良かった。結局はガッツです(笑)」とプレーを振り返る。
5位以内を目指しているなかでの好スタートだが、まだ残り3日間ある。「まだ順位を意識するような日ではないので、あすは取りこぼしがないように、そしてノーボギーで回りたい。きょうよりいいゴルフで60台を出せるように頑張りたい」とビッグスコアを狙う。(文・笠井あかり)