＜オーガスタナショナル女子アマチュア（予選）　初日◇29日◇チャンピオンズ・リトリートGC（米ジョージア州）◇ 6410ヤード・パー72＞

松山英樹の元エースキャディ、進藤大典氏をキャディに初起用した注目の馬場咲希（代々木校2年）。大会初日はショットに苦しみ、2オーバー・23位とオーバーパーでのスタートなった。明日の18ホールを終えて、30位タイまでに入れば、オーガスタナショナルGCで行われる決勝に進むことができる。

馬場は10番から始まった前半の9ホールを1バーディ・1ボギーのイーブンパーで折り返すと、後半に入って1、2番で連続ボギー。続く3番パー5でバーディを1つ取り返すも、5番ではティショットを左の川に入れてダブルボギーとしてしまった。それでも最終9番パー5をバーディで締めて、予選通過圏内でホールアウトした。

「いつもはミスが出るとしたら右なんですけど、きょうはつかまる左のミスが出てしまって全然対応できなかった。つかまったホールでボギーとかダボを打ったのが本当にダメだった」

インパクトでフェースがかぶっているのはわかっていたが、「左も右も出たら困るので、きょうは頑張って左のミスのまま耐えていました」と、あえて無理には直さなかった。

初日に6アンダーで単独トップに立ったのは、世界アマチュアランキング1位のローズ・チャン（米国）で、予選ラウンド2日間は同3位の馬場と同組。初めて一緒に回ったチャンのプレーについて馬場は、「すごいですね。ロングパットを入れる場面がすごく多かった。LPGAの優勝したプロのハイライトを見ると、ロングパットを何回か入れていることが多いので、こういう選手が優勝できるんだなと見ていました」。飛距離では圧倒した馬場だが、グリーン上ではチャンが上回った。

気になったのは、チャンのほうから馬場に話しかけ、2人で笑っていたシーン。世界アマチュアNo.1と、全米アマ覇者は何を話していたのか？

「ローズ・チャンとは（昨年8月の）世界アマのときに初めて話して、そのときから日本語を教えてほしいと言われていますね。逆にローズ・チャンは最近、中国語をやっていると聞いたので、私は中国語を教えてもらったりして笑っていました。自己紹介とかちょっとくだらない、言えない感じの言葉を教えてもらいました（笑）」

馬場はチャンに日本語での挨拶やゴルフ用語を教えたよう。2人の会話はもちろん英語だが「伝わってはいます」と笑い、ゴルフだけでなく会話も楽しんだことを明かした。

昨年の全米女子アマ優勝以降、国際大会に出れば、各国の選手に声をかけられることが増えた。今週もそれは同じで「すごくうれしかった」という。

予選通過がかかる明日に向けては「ショットを修正してアンダーにしたい。目標は高く60台半ばを出すイメージでやっていきたいと思います」と、力強く宣言。得意のショットでバーディを量産し、予選通過を目指す。（文・下村耕平）