11月29日まで行われていた、日本女子プロゴルフ協会のQTファイナルステージ(静岡・葛城GC 宇刈C)では、米国ツアーを主戦場にする姉・優利と、4度目の挑戦で今年のプロテストに合格した妹・鈴の吉田姉妹が、そろって来季のレギュラーツアー前半戦出場権を確保した。
2人は開幕前日には練習ラウンドをともにし調整を進めていた。QTをトータル4オーバーの36位で終え、来年は“ルーキー”としてツアーを戦うことに妹にとって、トータル2アンダー・7位にスコアをまとめた姉のプレーを間近に感じられたことは今後の大きな糧になりそうだ。
「練習ラウンドを回っても、すべての部分で“差”を感じました。アプローチもパターも、すべてちょっとずつ(優利が)上回っている。その“ちょっとの差”を埋めるのがすごく大変だと思う」
初日こそ伸ばしあいの様相を呈した今年のQTだったが、2日目以降は葛城特有の強風が選手たちを苦しめた。終わってみれば、4日間の平均ストロークは『73.7415』(+1.7415)。鈴も2、3日目は「75」とスコアを落としたが、ツアー通算3勝の優利は一日たりともオーバーパーを叩かなかった。
4日間を終えた鈴は「すべては出しきれてないなと思います」と、その悔しさを語る。国内で過ごす予定のオフは、「ショットメーカーなので、いいところはもっと伸ばしたい。あとは決めなければいけないパッティングを1発で決める練習をしていきたい」ということを心がけていく。
一方の優利は、日米で参加する“2週連続QT”を戦うため、すぐさま渡米。5日からアラバマ州で行われる米国女子ツアーの最終予選会に出場する。2023年の「ワールドレディスサロンパスカップ」を制して得た3年間の複数年シードは、来年も米国で戦うことが第一になるため行使しなかったのだが、その選択により妹は大きな刺激を受けることができたとも言える。
「まずはちゃんとシードを取ること」。今年も8試合に出場するなど、プロテスト合格を目指してきたここ数年は、レギュラーツアーでの経験もしっかりと積んできた鈴。“ちょっとだけど大きな差”、これを埋めるため、冬にしっかりとクラブを振っていく。(文・間宮輝憲)