<ユニクロ アダム・スコット ジュニアチャンピオンシップ 最終日◇28日◇ハンモッククリークゴルフクラブ(米国・フロリダ州)◇男子7072ヤード&女子6191ヤード・パー72>
全米ジュニアゴルフ協会(AJGA)主催「ユニクロ アダム・スコット ジュニアチャンピオンシップ」は最終日の競技が終了。初日から首位を走る荒木優奈(日章学園高3年)が世界アマチュアランキング7位の実力を遺憾なく発揮し、トータル13アンダーで完全優勝。1月の「オーストラリアン・マスター・オブ・アマチュア」に続き、今年海外2勝目を挙げた。
この日は目まぐるしく天候が変わる一日に。荒木は16番のティショットを打った時点で、競技が中断され、木の下で約1時間雨をしのいだという。その間は「ボーっとしたり、前髪で遊んでいたりしました(笑)」と、悪天候に心を乱されることなく平常心をキープ。「オーガスタでも雨で中断があって、そのときは寝てました。雨は面倒なこともありますが、最悪だとは思いません」。天候は自分の力で変えようがない自然現象、米国では日が長い時期は長時間の中断も珍しくはない。「オーガスタ女子アマ」での経験も活き、いいリズムを切らすことなく最終日も4つスコアを伸ばし圧勝した。
表彰式では大会ホストのアダム・スコット(オーストラリア)から『プロテスト頑張って、これからも見ているよ』などと言葉をかけられ、「涙が出ました。超かっこよかったです。神様ですね! ファンになりました」と感激。優勝スピーチは英語で話し、その後はAJGAのSNSで使う動画撮影ではリズムに合わせて踊るリクエストをされる“無茶ブリ”もちゃんとこなし、また貴重な経験を積んだ。
この勝利が「自信になりました」と白い歯を見せた荒木。「これをきっかけに日本でも優勝したいですね」とこの勝利を次につなげたい意向だ。6月13日からは日本女子アマ、20日からはトヨタジュニアゴルフワールドカップなど大事な試合が続く。帰国したら「お寿司が食べたいですね」と笑う顔は本当にあどけないが、海外のタフな気候の試合でも笑顔を絶やさずプレーして、さらに難なく勝ち切る姿には感服した。この1週間でまた少し強くなった荒木が日本でも素晴らしいプレーを見せてくれそうだ。(文・小路友博)