<JGTOファイナルQT 最終日◇6日◇下関ゴールデンゴルフクラブ(山口県)◇7034ヤード・パー72>
ベテランの海老根文博が「JGTOファイナルQT」の最終日に6バーディ・ボギーなしの「66」をマークし、トップ通過。来季のレギュラーツアーフルシード権を獲得した。
トータル10アンダー・2位タイからスタートした3日目は7番パー3でエースを達成。強風が吹くなかスコアを4つ伸ばし、首位タイに立った。迎えた最終日は序盤3ホールでパーを並べるも、4番から連続バーディ。後続に4打差をつけてゴールテープを切った。
49歳での初シード権獲得により、1992年の井上久雄(当時45歳)らの記録を大幅に更新。「こういうこともあるんですね。20位以内が目標だったんですけど、無事生還できて良かった(笑)」と想定以上の結果に胸をなでおろした。
海老根は16歳でゴルフを始めた。茨城県の名門・水城高校に入学したものの、入部テストの日程を間違えてゴルフ部に入ることはかなわなかったが、練習に通って腕を磨いた。23歳でプロテストに合格。プロ生活27年間でのツアー最上位賞金ランキングは2007年の90位で、ベストフィニッシュは2016年「ダンロップ・スリクソン福島オープン」の10位タイという苦労人だ。
来年は50歳を迎える節目の年。12日(木)から開催されるシニアツアー2次予選会にも出場を予定している。「上手くいけば」シニアツアーとレギュラーツアーを並行するプランだったが、“想定外”のフルシード権獲得で悩ましい表情を見せる。
「結果的にこうなったので、どうしたらいいのかという感じです。厳しい舞台だと思うので、またQTを頑張って(シニアツアーにも)出られたらいいな」と“二刀流”を目指していく。
初日終了後に棄権した今季シニアツアー2勝の増田伸洋(51歳)を除けば、フィールド最年長だった。若手に囲まれて「飛距離と思い切りの良さには勝てない」と話すも、「ベストを尽くすというのが僕の信念」。来シーズンに向けて「期待もあるんですけど、不安の方が脳裏をよぎってしまうので、メンタルを整えて試合に臨みたい」。大ベテランがもう一花咲かせようとしている。