<JLPGA新人戦 加賀電子カップ 2日目◇5日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6589ヤード・パー72>
97期生“NO.1”を懸けた戦いの第2ラウンド。4回目のプロテスト受験で2位タイ合格を果たした都玲華が、トータル5アンダー・4位タイで最終日を迎えることとなった。
「きのうよりピン位置がシビアではなく、風も穏やかでした。スコアも伸びてくるのかなと思っていました」。その言葉通り、6バーディ・3ボギーの「69」をマークしスコアを伸ばした。しかし、首位の荒木優奈はトータル11アンダーまで伸ばしており、首位の背中は遠ざかった。
バーディを量産した一方で、3つのボギーが悔やまれる。「6個のバーディを取れているので、もっとボギーを少なくできたと思いますし、12番と17番でスリーパットを打っているので…」と唇をかむ。それでも「最低限60台」という目標はクリアできたことは、最終日への弾みとなった。
一生に一度しかない大会。多くの選手が「楽しみ」と口にするが、都もそのひとり。「優勝を目指して、いいプレーを見て楽しんでもらえることが一番ですが、もうひとつの目標は、みんなと仲良くなること」。きょうは現役高校生・福田萌維と初めての組み合わせとなり「仲良くなれた」と、こっちの目標もクリア。真剣にゴルフに向き合いながらも、新人戦特有の雰囲気を存分に楽しんでいる。
プロテスト合格後は、息つく間もなく来季の前半戦出場権を懸けた「ファイナルQT」に挑戦。「風も強くて、グリーンも傾斜が強くて…」と葛城GC宇刈Cの洗礼を受け、レギュラーツアー前半戦フル出場権の目安とされる35位前後には届かなかったが、限定的な出場権は手にした。
レギュラーツアーで目標とする選手は、小祝さくらと同学年の竹田麗央だ。「二人とも淡々としていて、表情を変えずにやっている感じがすごく強いなと思います」と語る。特に、竹田のドライバーショットを「飛んで曲がらないのですごく尊敬しています」と話し、小祝については「キャラクターを含めて憧れの存在」とのこと。
技術面でも二人から多くの学びを得ている。「麗央のドライバーショットは見ていてすごくイメージが出る。さくらさんのスイングは本当に素晴らしいと思います。コーチとも『こういうスイングができたらいいよね』と話しているぐらいなので」と、二人のスイングは都にとって“参考書”代わりだ。
「たくさんの方から応援していただけるようなプロになれたらうれしい」。一足先にレギュラーツアーで活躍する竹田、そしてツアー屈指の人気を誇る小祝に続くべく、笑顔を絶やさないルーキーは大舞台での活躍を夢見ている。(文・齊藤啓介)