独自の道を切り開き、プロゴルフの世界で戦っているひとりの選手がいる。26歳の女子プロゴルファー・識西諭里（おにし・ゆり）がその人だ。日本でのツアー生活を目指すも、これまでに7度挑戦したプロテストで合格をつかみ取れず、今年は米国、欧州と世界各国を股にかけて転戦を続けている。“未知の世界”に飛び込んで奮闘する姿を追う。先週は日本に戻り地元・福岡でオープンウイークを過ごしたが、少しの骨休めを終え再び欧州へ。14日（金）から英国・ロンドンで欧州女子ツアー「アラムコ・チームシリーズ」を戦う。

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みなさん、こんにちは！　先週は日本に戻り、食べたいものを食べ（まだまだ食べたかったものはありますが…）、ゆっくりして地元を満喫することができました。ゴルフに関しても、3日くらいはクラブを握りませんでしたが、父親との早朝ラウンドからはじまり、友人が受ける「日本女子オープン」地区予選の練習ラウンドに付き合ったり、楽しくプレーしていました。今は絶賛時差ボケ中で早朝に目が覚める毎日ですが、“充電完了”という感じです！

今週の試合は、5月にもアメリカで開催されたチーム戦もある大会。ネリー・コルダ（米国）や、「全米女子オープン」で2位になったチャーリー・ハル（イングランド）といった、普段、USLPGAでプレーする有名選手も出るので、それも楽しみです。

方式もちょっと変わってます。世界ランク上位勢がキャプテンとなり、1つのチームはプロ3人とアマチュアが1人。予選ラウンドは、そのなかから上位2人のスコアがチームのスコアとして採用されます。それは個人戦も兼ねているので、チームとして上位には入りたいですけど、まず“自分は自分”という気持ちでプレーしていこうと思ってます。ちなみに私はタイの選手で仲がいい、（愛称）マイちゃん（トリチャット・チェーングラブ）と同じチームでプレーします！

その大会を開催する今週のコースがおもしろいんです！　先週LIVゴルフのロンドン大会をやっていたコースなんですが、アウトからスタートして最初は日本にあるような林間ホールが続きます。でも中盤からは、その木がなくなりリンクスコースに変わるんです！　ブッシュもあるし、風も強い。とても同じコースとは思えません。ただ天気は常にイギリスらしく、寒くてどんよりしています（笑）。まだできて20年くらいの新しいコースらしいのですが、造りも「選手の心理をうまくついてくるなぁ～」っていうホールばかり。“意図が明確”といいますか、『ロケーション的に、こっちを向きたいよね』っていう方が、外してはいけない場所だったり、その意図を考えながらプレーするのがすごくおもしろいんです！

日本を発ったのは日曜日で、こっちに到着したのは月曜日の早朝、朝7時前。ただ、ホテルにチェックインできるのが午後3時以降で、ツアーが行っている送迎バスが動き出すのも正午からということにこちらで気づきました…。そこで近くにあった『クリスピー・クリーム・ドーナツ』に入って、ドーナツ3個と、たまっていた動画で4時間くらい過ごすという、ちょっとした“予定外”はありましたが、体調などはまったく問題ありません！　もうこれくらいのドタバタはトラブルとも思わないようになってきているので、どうやらこちらの生活にも慣れてきているみたいです（笑）。

やっぱり試合があるというのは楽しい。今週は賞金も高額（総額50万ドル＝約7100万円）なので気合も入ります！　ただ、こっちにきて、お肌の調子がめっちゃ悪くなったのは萎えますが…（笑）。今週のキャディはマークさんという現地の方で、「全英オープン」でバッグを担いだり、安田祐香ちゃんや、イ・ミニョン（韓国）さんと回ったこともあるみたいで、すごく心強さを感じています。あと参加選手全員に（香水などが人気のブランド）『ジョー マローン』のキャンドルがプレゼントされたことでテンションも上がったし…（笑）。あと、この連載を担当している編集の方に、お子さんが誕生したっていう話も聞いておめでた～い！ そんなハッピーな気分で迎えられる試合で、いい結果を残せるよう頑張ってきます！

■識西諭里（おにし・ゆり）
1997年4月16日、福岡県出身、26歳。福岡第一高卒。9歳でゴルフを始め、2015年の福岡県民アマチュアゴルフ選手権優勝などの実績を残す。昨年は予選会を突破し6月の「全米女子オープン」に出場。米国、欧州ツアーの予選会にも挑戦し、現在は欧州を主戦場にしている。身長166センチ。株式会社梅の花所属。