<JLPGA新人戦 加賀電子カップ 最終日◇6日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6589ヤード・パー72>
今年、3度目の最終プロテストで合格。ファイナルQTで36位に入って来季のレギュラーツアー前半戦出場権を確保した吉田鈴だったが、手応えを感じながら挑んだプロデビュー戦はほろ苦い結果となった。
「ちょっと悔しいなっていう感じはあります」と3日間を振り返った吉田。初日は「70」をマークして5位タイの好発進を決めたが、2日目以降は「74」「73」とスコアを伸ばせず、トータル1オーバー・17位タイで競技を終えた。
風が強まった最終日。最終18番パー4ではセカンドで3番ウッドを持たなくてはならないほど、左から強いアゲンストが吹いていた。ピン左を狙うも「当たり損ねて」ショートし池ポチャ。最後の最後に来たダブルボギーも悔しさを助長させる。
「パー5のバーディ率」を課題としていたが、2日目には3番パー5でダブルボギー、5番のパー5でボギーとその課題が顕著に表れてしまった。「3打目の100ヤード以内の距離感。手打ちになってくると距離が2~3ヤードずれてしまう」。感覚は良くなってきたと話すが、ロングでの取りこぼしはやはり痛い。
一生に一度しかない新人戦は、悔しさも楽しさも「両方ありました」と振り返った。オフは休息の時間を取りつつ、レギュラーツアーの開幕戦に向けて、姉・優利らと宮崎で合宿を行う予定。「スイングは固まってきたので応用をメーンに。ラフとバンカーの2つを頑張りたい」と明確な目標もある。「姉と回るとそこが一番感じる部分なので、そこを参考にしたい。自分の足りない部分が一番良くわかる」。一足先に世界へ羽ばたいていった姉の技術を盗み、このオフにさらなる進化を遂げたい。
来季は、本格的にレギュラーツアー参戦となる。「今までアマチュアで出させてもらって、回ったコースも多いので、そこは経験できている。その回ったことのあるコースで優勝を狙えればと思います」。97期生の中では実戦経験は豊富。今まで蓄えた経験をフル活用し、姉・優利に続いて、今度は鈴が大舞台で活躍する番だ。(文・齊藤啓介)