<JLPGA ファイナルQT 初日◇26日◇葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コース(静岡県)◇6454ヤード・パー72>
今月1日まで行われていた日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の最終プロテストで合格をつかみとり、来年を“ルーキー”として迎えるのは26人。これはプロテストの合格基準が現行の20位タイになった1997年以降でみると、2014年に並ぶ最多タイの人数だった。
うち今回のファイナルステージを戦うのは17人。そして初日を3アンダー・8位タイで終えた都玲華もそのひとりだ。「パターに助けられました」と、シビアな場面を何度も乗り越えての好スタートだった。
アマチュア選手として、今年4月のステップ・アップ・ツアー「大王海運レディス」を制したことで得た権利で、プロテスト、そしてQTはともにファイナルからの出場が叶った。多くの同期たちがQTファーストを戦うなか調整を続けることになり試合勘も心配されたが、「ファイナルからなのはいいです。1次で落ちてしまうこともあるので」とやはりアドバンテージの方が大きい。テスト後には、『マイナビネクストヒロインツアー』で実戦を積むなどして、ここに照準を合わせてきている。
ルーキーたちのなかで最上位につけたのは、4アンダー・4位タイの荒木優奈。風が吹くラウンドだったが、ボギーはわずかに1つという安定感を見せつけた。「今回、初めてプロキャディさんにお願いして、的確なアドバイスで崩れることがなかったです」と、心強い味方とともに歩みを進めている。バッグを担ぐのは、長年、小祝さくらとともにツアーを戦ってきた小畑貴宏氏。その意見も参考にしながら、来季の出場権獲得へと向かう。
なにより、同期が多いという環境もリラックス効果を生んでいる。まだ本格的な交流はここからになるが、それでも同い年の選手とは練習ラウンドをともにするなど支えにもなる。「ゴルフは個人競技ですけど、一緒に回ったりするのは楽しい。これからセミナーもあるので、そういう機会にいろいろな選手と話していきたいです」と、“同期の絆”もここからさらに強まりそうだ。
このほか、8位タイの徳永歩、2アンダー・14位タイの吉田鈴、1アンダー・23位タイの永田加奈恵、山下心暖、入谷響、手束雅、中村心と、来季の前半戦フル出場権獲得が見込まれる“37位以内”に、多くの97期生が名前を連ねる初日になった。プロテスト合格者には、翌年のステップ・アップ・ツアー出場権が与えられるが、当然ながら目指すのはレギュラーツアーでのデビューとなる。(文・間宮輝憲)