<Qシリーズ(米国女子ツアー最終予選会) 事前情報◇3日◇マグノリア・グローブGC(米アラバマ州)◇クロッシングズC=6664ヤード・パー72、フォールズC=6643ヤード・パー71>
米国女子ツアーへの最後の関門に、1年遅れで来ることができた。原英莉花は10月に行われた2次予選を突破し、この最終予選に進出。5日間のラウンド終了時点で上位25人までに与えられる来季の米国ツアー出場権を目指す。
昨年も2次予選から挑戦したが、同伴競技者によるスコア誤記を訂正できず、まさかの失格に。しかし2度目の受験となった今年は18位タイで通過、アラバマでの最終予選にたどり着いた。勝負の90ホール開幕を2日後に控えたいまの心境は一言では言い表せない。「(気持ちは)いろいろありますね。自分のワンショットが今後につながるということを考え出すと緊張するし、いまの自分の調子とコースで戦っていくということを考えると楽しみ」。緊張、不安、楽しみを胸のなかに入り混じらせながら、調整を進めている。
国内ツアー最終戦「JLPGAツアー選手権リコー杯」を終えて先月28日に渡米。そこから練習のみを重ね、コースに出たのは1日からだった。クロッシングズCとフォールズCという2つのコースを使用するが、練習ラウンドはそれぞれ1回ずつになる予定。「去年とコンディションが違うみたいなんですけど、ここがこうなりやすいよとか、ピンポジションを知っているのが大きい。練習ラウンドではいろいろと話しながらできました」。昨年は最終予選会を2位通過した西郷真央のキャディを務めた福井良太氏にバッグを預け、コースを確認している。
この日はフォールズCを18ホール回った。「グリーンがけっこう硬くて速い。ティショットの流れが一定していて、左ドッグレッグが多い印象。突き抜けるとかはないので、(持ち球がフェードでも)問題なくできていますね。バンカーがあるのでそこだけうまくクリアできれば」。7位タイで終えたリコーからは「腕の向きやちょっとした微調整」をしてショットも復調気味。そこに少しの手応えがあるのも確かだ。
とはいえ、気がかりなこともある。「毎度、海外遠征でパターが曲がっていて…。今回は(ロフトが)2度立っていて、1度アップライトになっていた。ちゃんと大切にパッキングしてきているけれど、溶接してもらっているぶん曲がりやすいのかな」。こだわりのロングネックの部分がズレてしまっているという。これまでの海外遠征でも同様の現象が起きており、日本に戻ったときに直してもらっていたという。今回は現地クラフトマンに調整してもらうことができたが、「直ったのかな…。感覚は少し違う。でも曲がっても気持ちで入れるから大丈夫です!という感じ」と闘争心を燃やす。
「初めての5日間のプレー。ミスを少なくプレーしたいと思っている。25(位)の中に入らないと全く意味がないのでそこはマストで、気持ちを持っていきたいですね」。かねて目指してきた夢への舞台へあと一歩。気持ちを奮い立たせ、通過を目指していく。(文・笠井あかり)