＜アジア・パシフィック女子アマチュア選手権　事前情報◇8日◇シンガポール・アイランドCC（シンガポール）◇6343ヤード・パー72＞
 
「（海外志向は）全くなくて、ご飯も日本食しか食べられないし、海外イコール怖いくらいの感じ」。そんな寺岡沙弥香だが、初めて日本を飛び出したのには理由がある。

今年度のJLPGAプロテストの要項によると、『当該年度7月の最終金曜日時点の世界アマチュアゴルフランキング上位10位までの者』は2次までが免除され、最終から出場できるからだ。寺岡はこれまでプロテストに3度挑戦しているが叶わず、昨年度はわずか1打及ばなかった。「（今年の目標は）プロテスト合格というところしか見ていない。ポイント稼ぐぞ！と思って」。3月1日時点でのランキングは10位。この順位を少しでもアップさせるべく、アジアNo.1を決める戦いに足を踏み入れた。
 
3月末には「オーガスタナショナル女子アマチュア」にも出場する寺岡。この2戦で好成績を収めるために、「暑さと海外の芝質に慣れるように」とオフにはタイで合宿を張った。アプローチの練習を重点的に行い、1週間ほどでいろんなコースを回りながら、“海外”という雰囲気に慣れようと準備を重ねてきた。
 
実際に試合に来てみると、少しキョロキョロしてしまう様子。「身長も体つきもいいひとが多いイメージ。どんだけ飛ばすんやろって見ちゃいます（笑）」と、153センチの日本女子アマ覇者はちょっぴり恐縮しながらも笑う。
 
このフィールドではランキング3番手。「5位以内くらいには入りたいけど、気持ちはトップ10で（笑）」と気負わないように目標を立てた。いつも明るい笑顔で、元気な大阪弁が魅力的でもある20歳。自身最大の目標“プロテスト合格”に向けて、初めての挑戦を迎える。（文・笠井あかり）