カナダのトリリウム・ウッドGCで開催された『エンドレスサマー世界招待ロングドライブ選手権』で、日本タイトル6勝の三隅直人が優勝。優勝賞金2万カナダドル(約214万円)を獲得した。
この大会は世界ドラコン6勝のジェイソン・ズーバック(米国)がディレクターを務める世界的なドラコン大会で、世界チャンピオンの経験があるカイル・バークシャー(米国)、マーティン・ボグマイヤー(ドイツ)も出場。予選ラウンドは日中にプロアマ形式で回り、指定された4ホールで、それぞれ3球打って、フェアウェイに残ったボールが計測し、三隅は3位で決勝進出を果たした。
決勝ラウンドはナイターで、通常のドラコン競技と同様に6球打って、フェアウェイの一番飛んだボールを記録として採用。予選3位のシード枠でベスト16から決勝ラウンドに進んだ三隅は、384ヤードでベスト8に進出。ボグマイヤーはベスト8、バークシャーはベスト4で姿を消す中で、394ヤードでベスト4、372ヤードと順調に決勝戦まで勝ち上がった。
最後は地元カナダのコディ・ビリングハーストと対戦。どちらも5球目まではOBだったが、最後の6球目に三隅がフェアウェイ、ビリングハーストが外して勝負が決した。世界的なドラコン大会でのオープン部門で悲願の初優勝を成し遂げ「いまでも信じられない気持ちです。まだあまり実感はないですが、大会の映像を見るたびに夢ではなかったのだと認識しています」と喜びを語った。
山口県在住の三隅は昨年、16年間務めていた会社を退職。プロドラコン選手一本に絞って、新たな人生を歩み出した。華やかなツアー競技と違い、ドラコン競技は日本ではマイナーな存在。日本一の三隅でも賞金だけで生活していくのは厳しい。「まだまだ生活は安定しているとはいえない状況ですが、まずはこの決断を決意させてくれて、いつも応援してくれている妻へ感謝したいと思います。ありがとう」と語った。
そして、スポンサー契約を結ぶライトカフェや、クラブ提供を受けるJビームなどの支援に対しては「企業様のサポートがなければ、この成績を残すことができませんでした」と感謝を述べた。
ドラコン競技のシーズンは、8月にはドラコン日本選手権、9月にはドラコンアジア大会、10月にはアトランタで行われるドラコン世界選手権が控えている。「このままの調子を維持していきたい。まだまだ日本では発展途上の競技ですが、その第一人者として、業界全体も盛り上げていきたいと思います」と、さらなる上を目指して35歳の挑戦は続く。