米国男子ツアーの2022−23年シーズンは、ビクトル・ホブラン(ノルウェー)が圧勝で年間王者に輝き幕を閉じたが、さっそく2週後には「フェデックスカップ・フォール」がカリフォルニア州ナパバレーで開幕する。
これまでは年をまたいでの開催だったものが、来シーズンからは1月開幕の8月終了というカレンダーイヤーに戻ることを受け、この“秋のトーナメント”が行われる。独立したシーズンになり、選手にとっての最大の目的は『翌年に向け出場資格をアップすること』になる。つまり来季出場権にかかわるポイントレースは、まだまだ続いているというわけだ。
フェデックスカップ・フォールは、以下の全7大会が開催される。
9/14~17「フォーティネット選手権」
10/5~8「サンダーソンファームズ選手権」
10/12~15「シュライナーズチルドレンズ・オープン」
10/19~22「ZOZOチャンピオンシップ」
11/2~5「ワールドワイドテクノロジー選手権」
11/9~12「バターフィールド・バミューダ選手権」
11/16~19「RSMクラシック」
各大会の優勝者はツアー公式勝者として2年のシード権と、フェデックスカップ・ポイント500ptを獲得。さらに来年1月の新シーズン開幕戦「ザ・セントリー」(1月4〜7日)の出場権も付与される。またPGAツアー勝者として「マスターズ」などの招待も受けることになる。
22−23シーズンのフェデックスカップポイントランキング51〜70位の選手は、来季のフルシードこそ獲得しているものの、上位50位までが得ている来季の高額賞金、高額ポイントが付与される少人数の“格上げ大会”への出場権はない。
だがフェデックスカップ・フォールに出場してポイントを積み上げ、7大会終了時に51〜60位に入ることで、来年の格上げ大会最初の2試合ザ・セントリーと「AT&Tペブルビーチ・プロアマ」(2月1〜4日)への出場権を得ることもできる。
一方で71〜125位の選手は、フェデックスカップ・フォールに出場し来季のフルシードが得られる125位内に留まることが必要となる。今季の126位以下の選手が参戦して、ここからシード獲得を目指せるいわゆる“敗者復活戦”としての役割も果たすことになるのだ。
もちろん今季の50位内に入った選手もフェデックスカップ・フォールへの出場は可能。この場合は、新たにフェデックスポイントを獲得することはないが、賞金はかけられ、勝利すれことで公式優勝者にもなるためトップ選手が参戦してくる可能性も大。
実際に初戦のフォーティネット選手権には、ディフェンディングチャンピオンのマックス・ホーマ(米国、今季フェデックスポイント9位)が出場を表明。また71位でシーズンを終えたジャスティン・トーマス(米国)も出場する。10月には「ZOZOチャンピオンシップ」(千葉県・習志野CC)も開催され、ここには松山英樹の出場も見込まれている。(文・武川玲子=米国在住)